2023年6月22日開催 あおぞら銀行(8304)第90期 定時株主総会レポート

3月決算が多いので、同時に6月は株主総会の季節ですね。

数ある企業の株主総会の中で、昨今はライブ視聴などができるようになっているので、家にいながら雰囲気や内容をつかめて嬉しいものです。
もちろん、実際に行った方が分かることもあるとは思いますが、それは老後の楽しみにでもとっておくとして…。

今回はあおぞら銀行(8304)の株主総会ライブ配信レポートです。

あおぞら銀行は、普通預金金利0.2%が一つのウリの銀行さんです。
かつて、預金するより株買った方が配当金もらえるからお得では???と言われていたりもしていますが、余計な出費はせずに質実剛健なイメージ。(知名度はまだ低めですが、それなりに知られてきている印象。)

真面目な社員さんも多い素敵な企業さんだと思っています。

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ちなみに、株主総会のライブ配信の方法は各社さまざまですが、あおぞら銀行さんの場合は「独自の配信サイト&株主番号や郵便番号によるログイン」パターンでした。
(最近は議決権行使もスマホでやっちゃうから、思わず捨ててしまいそうになります←すでに何度かやらかしているw)

最初少しつながりづらかったので見逃しましたが、議事進行は一貫して代表取締役社長(CEO)の谷川啓氏が担当していました。

以下概要等になります、みなさんの参考になれば幸いです。

あおぞら銀行(8304)株主総会概要

決議事項もシンプルで、1時間半の程よい総会時間でした

あおぞら銀行(8304)の株主総会の内容は以下の通りです。

1.事業報告などの説明

2.決議事項の確認
第1号議案:取締役8名選任の件
第2号議案:監査役1名の選任の件
第3号議案:補欠監査役2名選任の件

3.質疑応答
4.決議事項の承認

すでに招集通知に記載されている内容ですが、事業報告、決議事項の確認、質疑応答がメインでした。
決議事項は新任の取締役候補者については、各自からご挨拶がありました。

事業報告の中身については、質疑応答でも繰り返し出てきますが、有価証券ポートフォリオの見直しに伴い、含み損も拡大していて純資産も目減りしている状態というのが一つのトピックでしたでしょうか。

それを踏まえての中期経営計画の説明が大きなところで、最後に質疑応答と決議事項の承認という流れでしたね。

質疑応答はリアル会場からの質問にはすべて答えてもらった形ですし、ライブ視聴者からのものにも回答してもらったようです。

大きな問題?とかもなく、1.5時間くらいでフィニッシュ。
株主総会としてはちょうど良いサイズ感でつつがなく終わったという印象です。

中期経営計画について

2025年までの目標も保守的&安定性を重視

とりあえず、事業報告として、目を引いたのは有価証券ポートフォリオのリスク削減のため、評価損の一部の損失処理を実施(いわゆる損切り的なこと)したことによる損失確定が大きかったところですかね。

リテール業務も仕組債販売の方針の見直しに入って伸び悩んだこともあり、利益大幅な増加はなし。
とはいえ、資本自体は従分に配当を出す余力もあるとのことで、2022年度の普通株式1株あたりの年間配当も154円(前年度比5円増額)の期初の予想通り出してくれる形に。

全体として慎重さが目立つ内容でしたが、2025年までに年間配当158円を目指すとのことでした。
安定的な株主還元を重視するとのことで、株主としては嬉しい話でしたね。

また、ROE(自己資本利益率)についても9%を目指し、さらなる中長期的には10%を目指すそうです。

収益の柱としては、スタートアップ支援や中小企業の事業再編・事業継承などのバイアウトビジネスを主軸に、さまざまな分野で新しい動きをしていく予定とのこと。

認知度を高めて個人・法人含めて利用者を増やしていきたいともCEOから発言がありました。

DXの推進も積極的に進めるため、人的資本への投資として3年後の人件費を約20億円増加させるとのこと。
引き続き人件費はかかるようですね、DX人材が育てば良いのですが。

とりあえず、「保守的」とか「安定的」という言葉をかなり散見したので、これを好ましく思う人とそうでない人に分かれるかもしれないなぁ…などと思ったりもしました。

質疑応答まとめ

視聴者からの質問にも適宜回答していました

質疑応答についてはざっくり以下の通りです。
特に荒れる様子もなく、ほぼ谷川CEOが答えられていました。

 

(今回多少整理したとはいえ、)含み損の大きい外国債券の保有は今後どうする予定なのか?また、ここまで含み損が拡大するために手を打てたのではないか、売却の話は出ていなかったのか?
満期まで保有するパー償還を基本としつつ、当然リスクが大きくならないよう、前倒しで売却することも市場に応じて行う予定である。もちろん、売却の話などは常に俎上にあがるもので、全体的な資産のバランスを考慮して適宜実行している。
配当性向50%はどの程度堅持していくつもりか?
損失を確定したこともあり、配当性向は昨年度だと206.2%、今期は予想ベースではあるが74.3%と高い水準にある。
もちろん、原資は存在しているので健全な経営の範囲内であるが、健全性の維持には適切な配当性向も重要と考えている。
貸借対照表(B/S)のその他の有価証券の内訳は?
外国債券(主に米国債・モーゲージ債)・投資信託・組合出資等である。
PBR1倍割れに対する具体的なアクションは?
ROEとの相関性が強いので、中長期的な目標としてROE・RORAを高めていく所存。
中長期計画のROE10%が達成できれば、おろさくPBRは1倍程度になる予定(現在0.7倍程度)。
株価上昇には知名度も重要だと思うが、認知度向上のための施策はあるのか?
これはあおぞら銀行の長年の課題だと認識している。
現在、株主も預金者の数も上昇傾向にあり、ランキングなどでも名前を出してもらえる段階にまできているが、今後もテレビ放映などさまざまなチャネルで知名度アップを目指したいと考えている。
(まだリリースされていないのかもしれませんが、2023年7月23日(月)14:00〜14:30BS日テレより、みらい育てる⭐︎ファイナンスラボ〜金融資産を守る〜と題した番組が放映されるそうです。3回しリーズとのこと。気になる方はチェックしてみてください♪)
子会社GMOあおぞらネット銀行の今後の政策・方針は?
ネット専業銀行としてシステムをすべて内製化。社員の半数がエンジニアの異色の銀行として振込手数料最安値・スピーディさがウリ。新興のIT企業などとの提携も多く、今後の成長を期待してほしい。
外国債券の損失処理などが配当金などに影響を及ぼす可能性は?
今のところはない。損失処理はすでに計画に盛り込まれているものであり、安定的な株主還元に努める。
子会社にあるAZB Fundingなどはどういった会社なのか?
いわゆるSPC(特別目的会社)であり、海外への融資のためなどに設立したものである。
与信関連費用について詳細を教えてください。
当行では、基本的に保守的な運用を行なっている。貸倒引当金については、一般と個別に分けてそれぞれの取引先に応じ、使い分けてバランスをとっている。
台湾有事の際などの影響はどのように考えているのか?
直接的にはないと思うが、影響はもちろんあると考えている。具体的な数字はないが、有事に際しての備えはしている。
デビットカードのキャンペーンが充実しているが、いつまで続ける予定か?
好評をいただけて嬉しい。いろんな形で個人のお客様にも訴求していきたいので今後も別のキャンペーンなども展開していきたいと考えている。
24時間365日対応といったことは検討しているか?
今のところはないが、土日祝日の手続きのニーズなどは把握しているので、営業時間などについては検討事項と考えている。
DX推進のためにどの程度手間やお金をかける予定か?
社員全員に階層別に教育プログラムを実施しており、コア人材の育成に力を入れたい。
人件費を3年後に20億円増加するというのも主にDX推進のためである。
海外(特に米国)で展開する不動産状況はどうなっているのか?
こちらも保守的な運用を心がけているが、米国不動産といってもばらつきがある。現在、住宅などは好調だが対してオフィスは不調といえる。ただし、オフィスも都市によって状況が異なる。引き続き、市況を考慮しながら進めていく。
途中で、ライブ配信を視聴する株主の質問にも答えてくれて、すっきり終わった株主総会でした。
引き続きあおぞら銀行さんには頑張っていただきたいものです。
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