【書評】マレーヌ・ライダル著『デンマーク人が世界で一番幸せな10の理由』

資本主義の昨今、「お金がないと何もできない。」と言われるかと思えば、「お金がなくても幸せになれる。」といった言葉が飛び交っています。

どうしても「お金」を基準に「幸せ」が語られるようになったように思われます。

人生における自分の納得解が最適解と言われていますし、今を生きるといった言葉も盛んに叫ばれるように印象です。

そんな中で、幸せとは何か?を探し求める人が増えているのでしょうか。

幸福度ランキングで上位に入ってくるデンマークの生活が注目されていたりするようです。

最近ではヒュッゲと呼ばれる親密で温かな雰囲気を指す言葉も日本の中で定着してきたように思います。

家族や友人たちとおしゃべりしたり、お酒を飲んだり、ごはんを食べたりしながら過ごすイメージ。

和やかな雰囲気は、確かに幸福感を与えるものですが果たして実際はどうなのか?

デンマークに行くのはなかなか難しいので、ひとまず書籍から何を「幸せ」と呼んでいるかや「幸せ」を感じているかを理解してみることにしました。

今回はその名も『デンマーク人が世界で一番幸せな10の理由』をご紹介

幸福になるためのTipsが見つかる本ではないかな?と思います。

幸福度ランキング1位のデンマークの実態

幸福度ランキングについての確認

2013年のワールド・ハピネス・レポートで、幸福度ランキング1位になったのがデンマーク。

ちなみに、今回の本は2015年出版で日本は43位とかなり下の方ですね。著者が暮らすフランスでは第25位、アメリカでは第17位ということで、デンマークにはなかなか及ばないということのようです。

ちなみに、最新のWorld Happiness Report2018は以下の通りです。

(引用元:world happiness report)

デンマークはランクを下げて3位ですが、それでも北欧諸国が上位を占めています。

実際にレポートは無料でダウンロードできるので、調査された104位のランキングをチェックすることが可能です。

日本は、実は2018の最新版では54位とかなり低迷中ですね。

最下位はパレスチナ自治区で104位。

日本は中位より下ということで、せめて幸福度は上がってほしいなというところですね。

さて、ワールド・ハピネス・レポートで1位になったこともあるデンマークですが、まずはそのベースがないことには幸せを築けないことを著者が指摘しています。

実は、この考え方はとても重要だなって感じています。

幸せになりたいと思ったら、まずは自分の土台を確認すること

デンマークは、国民の善良性が国家の制度を支えているといっても過言ではなく、その意味では日本と同じように考えてはいけないですね。

ヒュッゲといった雰囲気を楽しむのももちろん楽しいでしょうが、実際の幸せについて考えるならば、基本に振り返る、ここが何より重要だというメッセージが強く残りました。

リアリスト的発想が必要不可欠

デンマーク式の幸せは好みが分かれるかも!?

そして、デンマーク流の幸せというのをお金等の面から見てみると、社会保障に充てられるための税金がかなり高いという点も考慮しなければいけないところかと思いました。

著者は理想的リアリストの発想が必要と書いていましたが、自分たちが支払った税金が自分たちのために使われているかについて、情報共有もされているし、もし汚職などがあれば徹底的に糾弾することを厭わないのがデンマーク人のようです。

著者の住むフランスでは、税金を払いたくない人も多いようだし、失業保険をもらってしばらくバカンスへ・・・といった人も多いそうでデンマークとは違うよう。

日本はどちらかといえば、デンマーク寄りだけど、信頼が薄れている今税金については冷めた目で見ている人も多いかもしれないですね。

あと、興味深かったのが、著者がデンマーク人の期待の低さを幸福をもたらすものと指摘している点です。

言い換えれば、アメリカンドリームのような幸せを期待していないということでもあります。

まぁ、アメリカンドリームの確率もかなり低いそうなので、地道にコツコツとというデンマーク式は日本人にも合うところがあるのかなぁ?なんて感じ入るところがありました。

デンマーク人でなくても幸せになれる!

10のリストをうまく活用して自分なりの幸せを

最後に、この書籍の良いところはデンマーク人ではない人向けに幸せになるための10のリストが付されているところです。

このように書かれていると、分かりやすくて何かをやってみようと行動しやすくなりますね。

説明の詳細は書籍に譲りますが、10のリストのポイントは以下の通りです。

 

  1. 自分自身の一番の親友になる。
  2. 他人と比べるのをやめる。
  3. 社会の慣習や圧力を気にしない。
  4. 第二の道を準備しておく。
  5. 戦う相手を選ぶ。
  6. 自分に正直になって現実を受け入れる。
  7. 理想主義的リアリストになる。
  8. 今を生きる。
  9. たくさんの幸せの種を持つ。
  10. 他人を愛する。

いろいろと、今の日本でも適応できそうな内容がたくさんありました。

「第二の道」といった表現は、オプションBといったものにも通じていて選択肢が複数あることを認識するだけでも違うそうです。

しっかりと読み返して、今後の自分の参考にもしたいです。

デンマーク人の生活や性格、どのような幸せを追求しているかについて知りたい人におすすめです。

もちろん、それを自分の人生にもよりよく活用したい人にぜひ読んでいただきたい本でした。

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