2023年6月24日(土)開催 第43期ファンケル株主総会リアル参加レポート

どうも、時間があるならば株主総会めぐりをしてみたいSayaです。
ようやくコロナ禍での行動制限が緩和されて、株主総会もリアル開催に参加できるようになってきましたね。

ただし、総会土産などは配布しない方向になった企業も多く、単に参加するだけだとなぁという株主の方もいるのかもしれません。

そんな中、総会土産の配布を明言し、久しぶりに横浜アリーナで土曜日開催という太っ腹な株主総会を実施したのが株式会社ファンケル(4921)さんです。

せっかくなので、久しぶりに参加してきました。
(同伴者は入れないので、夫と子はお留守番してもらいましたw)
質疑応答も活発で、CEOの司会の下、2時間の長丁場でしたがそれを感じさせない株主総会でした。

一応コロナ前の2019年の株主総会についてはこちらの記事でまとめています。

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司会もお上手なのはもとより、質問への応答が担当の取締役にふられるので、とてもバランス良い体制だなと感じました。

販売会は中止になりましたが、新商品・新サービスの展示会も行われており、ファンケルの社員さんたちとお話しできる機会も復活していてとても楽しかったです。

内容をまとめておきましたので、みなさまの参考になれば幸いです。

第43期ファンケル株主総会概要

多くの株主が参加し、事業報告も多岐にわたっていました

会場はコロナ禍前に総会が行われていた横浜アリーナです。
新横浜駅からの道すがら、要所要所にファンケルの社員さんが道標を持ってくれているので、迷わずに会場に辿り着けました。

午前0時開場・午後1時開始でしたが、10分前となっても人が途切れることなく、かなり多くの人が詰めかけていました。
総会の中で3000名以上が参加していると聞きました!(すごい人数ですね。)
総会に参加しなかったり、途中で帰る人にもおみやげを配っている様子でした。

総会の序盤は事業報告や今後の事業戦略について
30分ほどのスライドを視聴しましたが、総会ともあって熱の入った内容になっていたと思います。

残念ながら今期も当期純利益は前期比33.0%減など、ふるわない業績ですが、コロナの影響が緩和され、インバウンド需要も戻ってきている最中なので、なんとなくですが、明るい雰囲気の総会でした。

メインの事業戦略については以下の通りです。

    • 化粧品関連事業
      新商品であるブライトニングシリーズやマイルドクレンジングオイル(ブラック&スムース)を売り出し中。
      基礎スキンケアのユーザー拡大に向けて注力。
    • 栄養補助食品関連事業

アクティブシニア層(50代後半〜)へのアプローチを強化。外部通販ユーザーの獲得も好調、インフルエンサーなどを使った認知度向上も売上に貢献しており、今後も販売チャネルの多様化を実施する。

今回は特に販売チャネルについていろんな方法を実施していることが強調されていました。

やはりコロナの影響は大きく、販売チャネルがリアルからネットに移ってきたそうですが、楽天やAmazonといった外部サイトからの売上が増えてきているので、積極的に伸ばしていきたいとのこと。

また、ネット購入が増えてきているとはいえ、リアルとネット両方で購入する層がやはり売上に貢献しているので、直営店舗での販売も評価を受けているカウンセリング部分をより強化していきたいとのお話しでした。

店舗は、画一的なものよりも、今後は若年層向けなど地域や商業施設ごとに特色あるものにするなど個性を出していく予定。

海外展開も中国向けには中国版SNS WeChatなどでインフルエンサーや口コミの力を利用した宣伝を強化していくとのことでした。

海外展開は、中国にとどまらず、すでに進出している米国をはじめ、事業展開を検討している東南アジア(タイ・インド・ベトナム・シンガポールetc.)の情報収集なども行なっているそうです。

2030年までに海外での売り上げも25%まで引き上げるとのことで、今後の展望も期待がもてました。

この他、CO2削減の取り組みや赤十字社への寄付の話など、多岐にわたる内容で充実していました。

1.5時間弱の質疑応答まとめ

荒れることなくより深く事業内容を理解できました

さて、概ね2時間の株主総会の中で、メインを占めたのはなんといっても質疑応答です。
以下、ざっくりとですが、内容を網羅的に示しておきます。
全体的にはファンケルファンが多い印象で、いろいろ勉強になりました。

 

グローバル化の推進、人材育成について詳しく教えてほしい。
企業内にファンケル大学を設け、語学研修などを行なっている。社員の中からTOEICで高得点をとるものも出てきているし、今後ファンケルの市場をひろがていく上で、タイ・インド・ベトナム・シンガポールなどに若手社員を派遣するなどしている。
グローバル人材のための研修、現地法人でのローカル人材の採用、米国・中国への社員派遣、グローバル戦略MTGなども実施している。こうした投資によって、海外売上比率を25%まで引き上げたいと考えている。
2023年度の女性管理職比率の達成度はどうなっているのか?(2023年度目標:女性管理職が50%以上、女性上級管理職が30%以上)
昨年度の状況は女性管理職が47.1%、女性上級管理職が28.0%。2023年は目標達成したいと考えている。
ファンケルは正社員自体は2/3が女性で、そもそも女性比率の高い企業であるが、管理職となるとライフステージの変化などで後ろ向きになる側面は否めない。女性リーダーシッププログラムを実施するなどモチベーションを高くもってもらう工夫をしている。
3年連続減収減益についてどう思うか?対応は?
業績についてはコロナの影響が大きく、中国のロックダウンや日本での長期化が影響している。前々期は広告も縮小したが、そこから広告は強化し、認知度を高めてきた。どうしても人流が回復せず、5類以降に光が見えてきた状態。インバウンドも回復傾向で、外出機会の増加が売上にもつながってきている。外部通販の伸びもあるが、穴を埋めるために店舗は合理化して閉店したところもある。

 

広告宣伝費によるマイナスが顕著だが、費用をかけてどのようなビジョンを描いているのか?
広告を打つことで認知度をアップさせることが目的。今後は広く浅くではなく、蓄積されたファンケルのデータに基づいて個人のお客様に継続的に利用してもらえるような流れを作っていきたい。
やはり、ネット広告などを他の企業も利用するようになってから、広告費用も高くなっているにもかかわらず、成果も出にくい状態になっているので今後は広告費を増やすというより、維持しながらより効果的な方法をとっていく。
手元の現金(現預金370億円)が多い気がするが、M&Aや新事業の展開などは考えていないのか?
運転資金が200億円ほどかかるのでいつでも対応できるよう、多少多めに保有している。有効活用するべきというのはその通りで、M&Aなども検討事項ではあるが、やはりファンケルの理念や方針に基づいて慎重に検討すべきと考えている。
2019年以降キリンHDとの資本業務提携が続いているが、シナジー効果による業績はどうなっているか?自己株式の償却は考えているか?(自己株式を何かに活用する予定はあるか?)
今期売上で71億、営業利益で13億を見込んでいる。新商品にはキリンHDとの協業で成し得たものが多い。自販機での売上などもあがってきている。KIRINのサプリメントをファンケルの工場で生産したりもしているので、そのあたりで利益が上がってくると考えられる。
自己株式については、基本的に社内規定に基づいて保有をしている。一部はストックオプションに活用するなどしている。資金調達の際に活用することも考えられるが、現状は何かに使うという予定はない。
現在チャレンジしていることは?展示会で特に見てほしいことは?海外での認知度はどの程度か?AIパーソナル角層診断の受け方が知りたい。
化粧品では、「肌荒れ」「肌不調」などの検索に対応できるような新商品を出していく予定。サプリメント分野では少子高齢化に対応し、老化に本質的にアプローチしていくような商品開発に注力している。
海外(中国)での認知度は大手メーカーが70%に対して、ファンケルは40%程度。逆に言えばそれだけ伸び代があるということなので、認知度向上に向けてできることをやっていきたい。
AIパーソナル角層診断は、肌からタンパク質をシートでとって分析する。店舗などにあるし、今日の展示会でも配布している。受け取って採取してもらった後、店舗で予約して詳細をお伝えできるのでぜひ活用してほしい。

 

直営店舗は整理されたが、やはりガンケルといえば直営店舗あってこそだと思う。今後の計画はどのように考えているのか?
コロナ禍は本当に厳しく、店舗閉店など苦しい選択をせざるを得なかった。しかし、ファンケルの強みはやはり現場にあり、カウンセリング力なども高い評価を得ていて誇りに思っている。今後は単なる買い物をする場ではなく、ファンケルでしか体験できないような体験の場を提供できるような店舗作りを目指したいと考えている。

 

各企業が中国事業の撤退を表明していたりするが、ファンケルはどのように考えているのか?
中国ビジネスにはリスクが伴うが、世界最大の市場として魅力的。リスクが大きくならないよう、多数の商品を投入し、消費者のニーズが離れないようにしていきたい。代理店や国営企業との連携も強化していくし、現地法人の強化も必要なので現地採用にも力を入れている。また、中国以外のエリアを商圏ととらえることで、地域リスクの低減を考えている。
今後総会土産や長期優待制度などで変更や継続、どのように考えていたりするか?
総会土産は株主様にユーザーとしても利用していただきたいので、ぜひ製品の良さを実感してもらいたく提供している。
優待については株数に応じて優待内容の変更などを以前にしているので、それ以降長期保有の方に有利な形になっているといえる。
池森前社長が退いてから、ファンケルの理念が徹底されていないといったことはないか?
それだけはないように折に触れて社員一同で確認している。お客様第一の姿勢で今後も邁進していきたい。

 

日本限定品・株主限定品などの商品の予定はないのか?
各国規制があるので、実はすでに日本でしか買えないアイテムなどはある。基本的に毎日使ってもらいたいので全展開したいところ。そういったニーズがあるということなら、今後検討していきたい。
(お得意様向けの)ロイヤルプログラムは表立って知られていないが、どのような意図でやっているのか?
付き合いの長さや購入金額etc.複合的な要素で特別なご案内を出しており、状況によって基準などが変わるため。お客様へのサプライズの意味もある。今後より良いものになるよう内容も検討していく。

 

社外取締役候補の高岡氏がいないのはなぜか?
まだ担当となっていないので壇上にあがっていない。
大学教授で専門もマーケティング分野、社外取締役経験も豊富で適任だと認識している。

販売会はなくなったが展示会は充実

展示だけじゃなく研究発表も興味深かったです

2時間の株主総会の後は、展示会の方も見させてもらいました。
個人的には研究チームの研究発表が興味深かったです。
こういうの聞けるのが株主総会って感じで、社員さんの声が聞けるのって愛着がわきますよね。

化粧品を販売するまでに、パッチテストを何度も妥協せずやっていたり、サプリメントがどのように体内で効果を発揮するのかについて模型を使って説明してくれたり、日々の努力みたいなものも垣間みえて、また株主総会来たいな〜と思いました。

そんなこんなで、展示会も満喫していたら、想定以上の来場者だったらしく、お土産がなくなってしまったと帰り際に言われてしまいました…。
でも大丈夫、あとで郵送させていただきますとのこと。
ということで、お土産の写真はありませんが、届くのを心待ちにしたいと思います。

 

ひとまず、久しぶりのリアルの株主総会はとても楽しかったですw
あとは宣言通りに今後利益が出てきてくれることを期待したいところですね。

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