節税優遇制度として、少しずつ認知されてきたiDeCo。
ついにスマホ1台でiDeCoが始められるauのiDeCoといったサービスも登場してきました。
auのiDeCoのサービスについてはこちらをご参考までに。
最近は、さまざまな企業がポイント運用に乗り出しています。 ポイント運用とは、ポイントそのものを資産として考えて、効率良く動かすこと。 持っているポイント自体を増やすことだと考えてもらえると良いですね。 詳しくは私が学んだ体[…]
しかし、60歳までの資金拘束がある上、国民年金を土台としているので、まずは国民年金保険料が支払えていないと使えないといったデメリットがあります。
その意味では利用に注意は必要です。
また、iDeCo自体の支払いができなかった場合、ペナルティはありませんが加入期間に影響するので注意が必要です。
詳しくはこちらのセミナーレポートなどにも書いてあります。
さてさて、時間があればイベント・セミナーに参加しているSayasayanです。 最近、外を出歩くのは億劫な寒さで、新型ウイルスなどで外出を控える方も多いところ、知的好奇心に負けて勉強会に参加してきてしまいました・・・(笑) 今回[…]
また、過去に未納分があると口座開設できませんので、まずは未納分を支払うことが必須条件です。
その意味では学生特例などを受けている方は、iDeCoの加入の前に国民年金を完納する必要がありますね。
国民年金の仕組みについて解説しています。主に過去の未払いだった国民年金をさかのぼって納付できる「後納制度」や、保険料を割…
何かと注意が必要なiDeCoではありますが、資産形成層にこそiDeCo!もっと言えば、非正規雇用やフリーランスにこそiDeCo!というiDeCoのメリットを中心に以下、まとめておきますね。
非正規雇用や業務委託だからこそのiDeCo
自営業者として最大月6万8000円の掛金拠出可能
もちろん、メリットばかりではないiDeCo。
しかし、iDeCoの良さは退職金が出ない人の自分退職金作りを応援してくれるという点では魅力的なところがあります。
正社員ばかり得をする制度じゃないの?って思うかもしれないけれど、それは少し性急なお話です。
私は労働時間の短いしがない契約社員+業務委託+お小遣い稼ぎみたいなマイクロ複業をやっているちょっぴり変わった人なので、iDeCoの対象者としては実は自営業者等第一号被保険者に該当します。
(厚生労働省資料より)
簡単にいえば、個人型確定拠出年金であるiDeCoに限っていえば、一般的な正社員の方々よりも掛金を大きくできるということです。
もちろん、掛金は拠出できなければ意味はないので、毎月支払える金額だけをiDeCoに振り向けていますが、将来的にもう少し余裕ができたら掛金の増額が可能という選択肢があるだけでも嬉しいところですね。
退職金を受け取らない人は控除額がそれだけ大きい
その意味ではなるべく早く始めた方がおすすめ
また、掛金を最大月々6.8万円まで拠出できるメリットとともに、受け取りのときも退職金がない分、控除の枠も大きい利点があります。
現在、iDeCoで積み立てたお金は、60歳〜70歳までの間に受け取り始めることが可能です。
自分で申請するので、時期もこの範囲で選べますし、受け取る方法も選べます。
受け取り方法は今のところ以下の3種類です。
- 一度にまとめて受け取る一時金
- 5年から20年といった期間にわたって毎年受け取っていく年金
- 一時金と年金の組み合わせ
受け取り方によって所得の種類が異なるので、税金のかかり方が変わってきます。
- 一度にまとめて受け取る一時金の場合
「一時金」=一括での受け取りとなります。
一括での受け取りの場合は、「退職所得」扱いとなるので課税の対象です。しかし、「退職所得控除」が適用されるので、その範囲内の額であれば非課税となります。
それでね、勤続年数といっても自営業者はどこかに勤続しているわけではないので、ここがiDeCoの場合、加入期間に相当します。
例えば、25年間iDeCoをやり続けた場合、勤続年数20年超になるので・・・
800万円+70万円×(25年−20年)=1150万円は非課税で受け取れるというわけです。
しかも、退職金がない人はここまで資産が大きくなっても、この範囲内なら非課税で受け取れるのですから、iDeCoは掛金に気をつけつつも、なるべくなら早くから始めた方が良いということになりますね。
ちなみに、2. 5年から20年といった期間にわたって毎年受け取っていく年金の場合
公的年金扱いとなり「公的年金等控除」の対象となります。
公的年金は「雑所得」の扱いになります。
65歳未満の方は年間70万円以下、65歳以上の方は年間120万円以下で非課税です。
ということで、併用も可能ですし国民年金と同時に受給する場合は、いくらずつ受け取るかを上手に設定する必要がありそうです。
しかし、厚生年金とのかね合いを考えないで良い分、iDeCoという枠の中でしっかりと資産防衛をするというのも一つの老後資金捻出法としてはアリといえますね。
60歳からの人生戦略に使える?
残りの人生3分の1のために使えるお金の魅力
さて、最後に。
現在、iDeCoは60歳〜70歳までいつでも申請すれば受け取れるようになっています。
なんとなく、人生100年時代で年金の繰り下げ受給を検討する人も増えています。
確かに後からもらった方がお得かもしれないのですが、70歳で死ぬ人だってそれなりにいるわけですよね。
だから、一概に繰り下げられるだけ繰り下げればいいっていうのは考えものかな、と。
それより、人生100年時代の中での60歳とすればまだ人生の3分の2。
そう考えると、60歳で受け取るiDeCoは残りの30〜40年を生きるための原資ともなるわけですよね。(あくまでも仮に、の話ですけども。)
〜以下、Sayasayanの妄想ですので、深く読まないように〜
65歳もしくはそれ以上まで定年が長引きそうな昨今、給与の額面的には下がるかもしれないけれど、60歳時点では継続的な雇用が見込めている可能性が高いとなると。
個人的にはまとまって受け取って、居住用か投資用の不動産の原資にするとかって選択肢もありそうだな、とか考えちゃいます。(まぁ、不動産の状況にもよりけりですが・・・)
分割の受け取りにしても、生活費というよりは余剰資金になる可能性が高いので、株式や投資信託の購入資金にあてても良いかもしれないですね。(それまでに、資産運用の経験値が上がっていれば良いのですが・・・(笑))
いずれにせよ、所得が少なくても所得控除の恩恵が受けられるiDeCo。
資金管理をしっかりしていけば、退職金がない人のための退職金代わりになってくれるものでもあります。
将来が見えにくい昨今、使いづらいところは確かにありますが、資産形成の一助として、検討してみる価値はあるのではないでしょうか。