春休みという概念が薄れゆく中ですが、12月決算の企業の株主総会が多く開催されており、今年は株主総会をはしごしようと思っておりましたので実際にやってきました。
2019年3月28日(木)13:00〜開催されましたホットランド定時株主総会に参加してきましたが、午前中にあったキリンホールディングス株式会社と大きく印象の異なる株主総会でした。
企業や株主の雰囲気というのは、全然違うものなのですね。
こちらも質疑応答など大いに盛り上がりましたので、その点についてまとめてみました。
主な事業報告について
銀だこやハイボール横丁の注力へ
監査報告などの後はまず2018年の振り返り&12月決算についてということでこれまでの歩みが紹介されました。
とにかく、不採算店を処理していき、銀だこへの強化を進めてきたそうです。価格改定などもあったが、新規店舗も出店や平均売上もアップしてきているのは心強いですね。
1,3,8,12月には販促期間として100円セールなどを実施。新規出店の店舗も成田空港店や阪神競馬場店など今まで出店していなかった場所に出すなど新しい試みも充実。
銀だこでは、年8回45日間の新商品販売期間も続けており、1店舗の平均売上を押し上げているとのこと。
他方、不採算店舗は80店舗ほど閉鎖し、アイスクリームのコールドストーンマリーやキッシュ&カフェ店の不振が目立つなど課題も多めといった形でした。
その後、2019年今後の展望や次期決算に向けての抱負について紹介されました。
こちらでは、好調な銀だこ・ハイボール酒場の強化を謳っており、すでに酒場業態はギンダコスピリッツとして分社化。
25店舗ほどまで伸ばしていきたいと考えており、九州初となる小倉にニューオープン、今後三ノ宮や秋葉原などに出店予定とのことでした。
出店は東からどんどん西へと移動しており、大阪は酒量も多いのでかなり店舗が好調とのことでした。
また、お好み焼きのごっついを子会社化し、お好み焼き店も客単価が3800円と高めで好調とのこと。
あくまでも店員がお好み焼きを焼くスタイルだけれど、自社で製造した特注鉄板などを活用し売上が伸びているようです。
あとは、海外展開にも積極的で、冷凍たこ焼きがようやっと軌道にのってきた模様。
カラオケやネットカフェ、ひいては全日空でも銀だこの冷凍たこ焼きが食べられると評判というのは興味深かったです。
海外の方はアセアン地域に順調に出店を伸ばしていて、タイ・マレーシア・インドネシアを中心に現在59店舗。
8月までにフィリピンに出したいというのが直近の野望のようでした(笑)
THE Nippon FAST FOODをスローガンに、日本のたこ焼きを世界へと夢のある活動をしているようですね。
最後に課題部分ですが、主な課題は以下の通り。
- たこ焼きに入れるタコの確保
- 人材育成
タコについては、養殖に力を入れつつやはり今すぐは難しいとのこと。
今は東南アジアからチリの方までに幅広く漁場を確保しているそうです。
チリはかなり好漁場になりつつあり、蛸ツボ漁でとればたくさんとれそうなのだとか。
そして、人材育成については人だけは足りないので新たなたこ焼き機を製造するなど道具を工夫しているそうです。
鉄板などの道具は、もともと社長さんの実家の工場だったそうでそのあたりも中小企業的なエピソードですかね。
鉄板の改良によりお好み焼きのテイクアウトなどもできるようになったとのことです。
質疑応答etc.
実際の利用者が多い模様
質疑応答では、株主でありかつ店舗利用者が多いという印象でした。ダイジェスト版は以下の通りです。
Q1.店舗利用時、店頭やポスターで値段が違ったのだが、利用した店舗によって態度は大いに異なった。しかも店員が謝らず、提供が遅くて気分を害した。
A1.不快な思いをさせてしまい申し訳ない。外国籍の従業員が増えてきており、教育はしっかりしていきたいと思っている。研修センター店などで教育するなどしている。
Q2.風疹の集団感染などが怖いので社員さんにも徹底してほしい。大阪に店舗を増やしていくのは良いと思う。中国などは注文がこないときに黙っているお客の方がおかしいという風潮もあるようだ。
A2.風疹含め、衛生については徹底させていきたい。
Q3.蒲田東口店の周辺の風俗の客引きなどについて対処しないのか?
A3.警察問題になると思われる。周辺店舗とは秩序を守っていきたいと思っている。
Q4.たこ焼きじゃなくて揚げだこという声については?
A4.「銀だこ世代」という言葉もあるほどである。22歳になる銀だこはこれからスタンダードになっていくと思われる。銀だこは銀だこと認識していただきたい。
Q5.タコなしの商品は考えないのか?創業祭りの具体的な売上はどのくらい?
A5.ラジオ焼き(こんにゃく入り)などは売り始めている。2018.8.8の8が三つ並ぶ日には、88円セールをしてほぼ実施店舗で開店前から売り切れた。
Q6.銀だこに注力しようと改革に取り組んできた寺山取締役から一言。
A6.新しいホットランドを作っていこうと取り組んでいる。このような時代だからこそ店員一人一人としっかり向き合って教育していきたいと考えている。
Q7.障害者雇用についてどのような取り組みをしているのか?
A7.現在、6名のハンディキャップをもっている人を雇用している。本部に1名、工場2名、店舗2名となっている。
Q8.お好み焼きを先行的に販売している3店舗の内訳や商品について教えてほしい。
A8.現在、元住吉(新店舗)・大阪イオンモール(フードコート系)・日野(銀のあんでテイクアウト専門)である。お好み焼きが400円台後半で焼きそばは450円で売れ行きは好調である。フードコートはランチ需要があり、特に好調である。
会場の雰囲気など
大手企業とはまた違った雰囲気でした
会場は銀座ブロッサム(中央会館)ということでしたので、少し繁華街から離れた落ち着いた雰囲気の場所でした。
総会お土産などがない分、こちらも参加株主さんは100名足らずといった印象でしたね。
少ない人数でしたので、かなりほっこりのんびりモードでお話を聞けました。
少し苦言を呈するとすれば、総会の案内をしてくれるような社員さんもおしゃべりしてたりかなりゆる〜い感じ。
もちろん、ちゃんと誘導してくれる社員さんもいましたけど、会社の雰囲気とともに色々考えさせられました。
大手企業の株主総会とはまた違った感じだし、やはり社長が1代で起こした会社だからでしょうか。
社長が語る今後の展望とかが前面に押し出された感じでしたね。
受ける印象が企業によって大きく異なるのはとても興味深かったです。
ホットランドさんは、たこ焼きを世界にアピールしている企業さんなので、タコの確保にはぜひ頑張っていただきたいところ。
養殖自体には成功していて、今後完全養殖に向けて取り組んでいるとのことで、タコが完全養殖できるとさらにさまざまな場所に販売網を広げられるということで、夢のあるお話だなと感じました。
無配だったところ、今後は配当を出せるよう頑張りますとのことでしたので、大いに期待したいところです。