最近特に気になるインド株。まとまった資金ができたこともあり、海外への興味が再燃してきたこともありますが、実は結構前からインド自体は気になっていたのです。
とはいえ、経済成長率云々とか難しいことは分からないのですが・・・
数字には疎い人間ですが、文系発想で今日はインドへの投資が気になっている点についてまとめてみました。(完全なる備忘録です(笑))
人口世界一位になる日も近い
2030年には世界第一位の大国に
ご存知の方も多いと思いますが、世界人口第一位になる日も近いインド。
だんだん1位になる日も目前となってきており、統計上ではありますが2030年くらいを目処に総人口世界第一位になるだろうと言われています。
中国とは異なり、ひとりっ子政策・ふたりっ子政策といった話はインドでは聞きませんものね。
GDPの伸びも6%後半ということで、日本の経済成長率を考えるとその差は明らかです。
こういう話は、別に私からお話しなくても先駆的な投資家さんたちがまとめてくださっています。
特に、インド株といえばころすけさんのブログが魅力たっぷり(もちろんデメリットについても!)紹介してくださっています。
ということで、何を語ることがあろうか?いや、ないって話なのですが、ここは文系視点でインドの良さを語っておきたいなと思うわけであります。
宗教を基盤とした相互扶助が生きる国
「宗教上の理由」は仕事へのモチベーション?
現代インドへの造詣は全く深くないですが、ヒンドゥー教の国でしょ?って思っている人結構多い気がします。
まぁ、確かにそうなんだけど・・・。
あとは世界遺産のタージマハルがあるところとか・・・(あれはイスラム教徒の王様の奥さんのお墓ですね)。
でもインドの根本は、多民族国家、同時に多宗教国家でもあるということ。
ヒンドゥー教が圧倒的に多いといっても、「神様(いろいろいるけど)信じる?」って質問に対して「あー、うん。」と解答したら、インドの場合は自動的にヒンドゥー教になるシステムなので、人口比率的に学歴とか関係なく、ヒンドゥー教は多数派になるのは当然といえば当然の結果ですよね。
日本でいうところの神道と同じパターンです。
その中でも意識的に宗教を持つという人も少なくありません。
ヒンドゥー教からしてみれば、一定数の勢力を誇るイスラム教を除けば、あとは少数派の宗教にならざるをえません。
ヒンドゥー教優位の中、少数派の宗教が生き残っていくために発達したのが、宗教単位での地域社会の形成と相互扶助のシステム。
実はめちゃくちゃ縁故主義な国でもあります。
例えば、インドにおけるタタ財閥。
鉄鋼業を始め、自動車産業など多数の事業を展開しています。
タタ財閥は、パールシーの家系ですご〜く慈善活動とかもしていることで有名なのです。
パールシーというのはゾロアスター教を信じている人たち。
ゾロアスター教は、古代インドで生まれたイラン発祥の宗教ですが、西アジアのイスラーム化に伴い、ゾロアスター教徒たちは、東へ東へと逃れた歴史を持っています。
パールシー(=ペルシア人の意。ペルシア人はイラン人の他称)の一部は、インド西海岸に移住し、迫害とまではいかなくても、歓迎されずに過ごしてきた歴史があるため、内輪での助け合いの精神が連綿と受け継がれています。
また、宗教儀礼などを熱心にやりたければ、経済的・時間的な制約が少ない方が良いこともあり、商業に従事する人が多いのも、インドの少数派宗教の特徴といえるでしょうか。
タタ財閥の出発点もイギリス植民地時代の綿貿易で、パールシーとしてのネットワークが活きた証でもあります。
強固なカースト制度を有するヒンドゥー教徒たちはその身分制度をうまく活用して統治しつつ、イギリス➖インド間の交易には、イギリス人たちがパールシーを重用したため、パールシーは経済的に豊かになり、現代インドの政治や経済に影響力を持つようになっています。
カーストからサマージへ
若者の職業選択ができる時代に
そして、重要なのはインド社会に根付いているカースト制度の存在。
なんだかんだで数の上ではヒンドゥー教はおよそ人口の8割と言われる中、社会制度としてカースト制度はまだまだ見過ごせない枠組みですね。
すでにインド共和国憲法が1947年にできて以来、70年くらいは軽く経っているので差別意識といったものは都市部を中心に希薄化していると聞きます。
低位のカーストは、「指定カースト」として行政区分され、特別優遇政策が受けられるようになり、進学や就職の斡旋などもあり経済的に改善した人々も多いです。
経済的に豊かになり、子弟に高い教育を施すことができるようになっている現状は、国の繁栄として安定していくと見てよいのでは?と感じます。
今や、海外に出ていかなければ稼げなかったのに、インド国内で就職しても中流の生活ができるとあって若者には職業選択の自由が与えられています。
「バリバリ海外で稼ぐぞ〜」って人もいれば、「いや、公務員にでもなってそこそこの生活で家族とのんびり過ごすわ〜」みたいな人もいる。
そういう選択肢があるために、インド国内での中間層の購買力とかも高まっていたりするわけです。
それに、華僑・華人の中華系ネットワークがあるように、インド系の海外従者である印僑たちは、カーストもといサマージ(=協会)という名のネットワークを有しています。
海外に行っても、カーストの基盤を引き継いだ地縁が、インド人たちを守っているというわけですね。
しかも不思議なもので、カーストの概念が廃れつつあるにもかかわらず、結婚に関しては未だ古風。
律儀にカースト(身分)やサブ・カースト、ジャーティ(職業区分など)は同じグループの人で、ゴートラ(姓)は別の人と結婚するという基本に忠実だったりします。
その際、サマージが結婚を斡旋してくれたりなんてこともあり、インド人の活躍を後押ししてくれていたりもするわけです。
このへんのことについては、結構な受け売り(笑)この本、結構勉強になります。
日本以上の縁故主義と異なる適応力
バラモンは「海を越える」存在へ
というわけで、宗教的な側面や社会制度的な側面を見てて、いつも複雑怪奇で面白く、個人的に、日本とも似たところがあるよな〜ってインドには勝手に親近感を持ってしまうのです。
宗教的・身分制度的に日本以上の縁故主義はびこるインドは、元々のカースト制度の名残は強いのだけど、でも違うところも多分にあってそこも興味深いです。
感心するのは、時代に合わせて臨機応変に立ち回ってきた高位カーストの適応力。
特にブラーマン階級の動きは、本当にすごい。ブラーマンは、ヒンドゥー教の祭祀を司るカースト制度下のトップにいる人たち(日本でいうところの婆羅門ですね。)のこと。
かつて、自分が学んだ時には、特権階級の彼ら「ブラーマンは海を越えない」と学びました。
でも、そうした教えに縛られないっていうのが、バラモンのバラモンたる所以。堂々と海外に進出し、成功を収めています。
かつてはイスラム教を受け入れ、イギリス植民地時代には英語にも順応してきた歴史からみて、高位のバラモンやクシャトリヤ(クシャトリヤはかつての戦士・貴族階級)階級は、自らのカーストを誇りに持ち、特権を活かして自分たちのルールもどんどん変えてきた真のエリートたち。
その意味では、インドという国というより、インド人という存在に投資したくなるのですよね。
結局安定ばかりを求めていては、いつかジリ貧になってしまうということを歴史的にも体感してきている強さが彼らにはあるような気がします。
まぁ、古くからブラーマンの特権は異常で、ごはんたべれなかったときに盗みを行っても罪に問われないし、仕事も何してもいいし、子どもだって父親ブラーマンだったらぶっちゃけ奴隷に生ませた子でもアーリア人(=高貴な人)としてブラーマン階級のまま育てたし、ルールなんてあってないようなものってこのことだなって思っていました(笑)
この辺の話は、以下のような書籍を読むとわかります。
それでも投資には躊躇するけれど
将来のお楽しみと思うのがちょうどいいかな?
ということで、インドが結構気になっているお話をしてきました。
だからといってインド株激推し!みたいな気持ちでは全くないのですけどね(笑)
何せ、日本にいながらリスクを極力少なく投資をしようと言ってもなかなか難しいというのが現状です。
きっとやろうと思えば、できなくはないだろうけど英語資料とか本業以外で読みたくないし・・・とか生来の怠け心が出る体たらく・・・。(できる人はぜひしていただきたいです。)
でも、単純に少しばかり将来を鑑みると、資産の一部をインドにたむけてみるのも選択肢と悪くないかもしれないと思われます。
ちなみに、インドへの投資方法としては以下のようにADR株などの購入により可能です。
おすすめというわけではないけど、個人的な半生としてインドは興味深く学んできた地域ではあるので、その意味でも資産運用の一角となってもいいのかもと思えるようになりました。(超個人的な理由なので、これを読んでいる人はくれぐれも真似しないように。)
実際、世界の中でも顕著に民主主義のインドでは、各カーストごとに支持政党があったり、州権主義なので中央政府の求心力とかいまいち推し量れず、今後の政治・経済の舵取りは難しいことが予想されます。
確かに経済成長は日本の伸び率に比べたら勢いがありますが、成長期からはだいぶ隔世の感もありますし、死亡率の低下や女性の高学歴化などで少子化の波はきているしで、不安材料にも意外と事欠きません(笑)
まぁ、爆発的な利益とかを欲しているわけではない個人としては、将来のお楽しみ程度に少し保有しつつ観察するのも妙味かと考えている所存です。
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追記:投資絡みなどと記事を書きましたが、この複雑怪奇なインド社会への興味は尽きないなぁと思うばかり。個人的嗜好垂れ流しの記事ですみません。投資の対象というより、単純にインド文化好きなので、楽しさを共有できてたら幸いです。
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