さて、おこもりの日が続いている昨今ですが、できることをどんどんやろう!ということで、これまでできなかったことをぼちぼちとこなしているSayasayanです。
今回は野村IR-MIR@I(=野村グループの投資情報提供サービス)開催のオンラインWebセミナー第三弾、ユーピーアール株式会社のご紹介です。
第一弾と第二弾については以下のとおり。
第一弾は中外製薬さん。
第二弾はオーウイル株式会社さん。
ユーピーアール株式会社さんは、食品などを運ぶときにクレーンの下に置かれているパレットを企業さんにレンタルする事業を中心とする企業さんです。
働き方改革などの流れによって、パレットのレンタルは需要が見込めそうとのことで注目したい企業さんです。
ユーピーアール株式会社会社概要
現在、東証2部の会社さんです
ユーピーアール株式会社は、創業40年ほどになる物流事業とコネクティッド事業を展開する企業さんです。
もともと、木製パレットの製造・販売を手がける会社さんで、1998年に酒田社長就任後、レンタルパレット事業にシフトしたとのこと。
パレットの追跡サービスやカーシェアリング事業なども開始しており、業績も右肩上がりの企業さんです。
ちなみに、パレットというのは以下のようなもの。
近年は木製からプラスチックのものが主流となっており、環境負荷を考慮してレンタルを取り入れるメーカーさんなどが多いとのことでした。
商品を運ぶときにパレットを用いることで大量に運ぶことができたり、保管用の商品を高積みできたりといったメリットを享受できます。
ドライバー不足に悩む物流の場面で、輸送用にパレット活用することで効率良く物資を運べると取引先は2500社にまでのぼるそう。
さまざまな企業にレンタルしてもらっているので、一社の受注が減少しても売り上げへの影響は軽微で、景気に左右されにくいのが強いとのことでした。
成長戦略などについて
共通パレットの使用やアシストスーツの拡大etc.
また、レンタル用のパレットは現在プラスチックが主流なのですが、壊れたパレットは再利用しているので、環境負荷も小さいとのこと。
ユーピーアールさんでは、パレットを全国190ヶ所にある事業所のいずれでも借りることができ、到着地で返却可能でネットワークの大きさもウリの一つとのことでした。
2017年に業界2位になりましたが、さらなる成長を目指して以下のようなところを強化予定だそうです。
- 大手4社による共同パレット使用
- お菓子・カップ麺など非パレット業界への利用拡充
- アクティブIDタグによるパレットの個体管理(紛失管理、人件費の削減)
現在は、東レさんと提携して最終ユーザーまでパレットで物資を運んだり、積荷作業を行う人の負担軽減のためのアシストスーツの開発・展開などを積極的に行っているそうです。
アシストスーツは業界最軽量のものを開発していて、腰痛軽減に一役かっているとのこと。
今後、海外への展開も考えているそうで、グローバルな事業展開にも期待大といったところでしょうか。
質疑応答もたっぷり
コロナによる業績への不安などにも回答してもらえました
説明がおよそ40分ほどで、20分程度は質疑応答の時間でした。
コロナの影響などもあり、業績への不安に対する質問が多かった印象です。
主な質問に対する回答は以下の通りです。
Q.業績の伸び率は本当に期待できるか?
A.レンタルパレットは日本全体でみるとまだ4%ほど。ヨーロッパなどでは20〜50%ほどのシェアがあるので伸びる余地はある。
Q. 中国からの物資が入ってこないのでは?
A.現状の状況では問題ない。貸し出すパレットが足りなくならないように管理しているが、物流の状況によっては供給不足になる可能性もあるので、そうならないようにしていきたい。
Q.業界への参入障壁、業界の状況について教えてほしい。
A.パレットを一旦会社で保有しなければならず、利益を出すのに数年かかる。もともと製造からスタートしている企業として強みがある。競合他社も全体で10社くらい、輸送用だけなら4〜5社と数は少ない。
Q.企業風土を作るための取り組みを教えてほしい。
A.従業員が働きやすいように飲みニケーション代として5000円の支給をしたり、アニバーサリー休暇や1時間ごとの有給取得などを行っている。いずれにしても従業員が働きやすい環境を作るように努めている。
ユーピーアール株式会社さんの決算資料はHP上から確認できますので、気になる方は参考にしてみてくださいね。
配当性向は余力ありといった印象、2019年12月に1株から5株の株式分割を実施していて、今後業績拡大に向けて設備投資などもしていくそうです。
レンタルパレットの普及など今後が気になる企業さんでした。