【書評】加谷珪一著『億万長者の情報整理術』

著者の加谷珪一さんは、日経BP社の記者や野村証券グループの投資ファンドで運用会社に転じたのち、金融機関などに対するコンサルティング業務をなさっていた方です。

現在は、金融関連の執筆活動の他、個人投資家としても有名な方です。

詳しくはオフィシャルサイト等で見ていただきたいのですが、著作も相当数にのぼります。その中でも、一般的な生活をしていると視野が狭くなりがちです。

金融情報の収集に関して新たな知見を得られる書籍ということで、『億万長者の情報整理術』をご紹介したいと思います。

同じ情報でも人によって受け取り方が違う!

断片的な情報でもしっかりと分析することが大切

この本を読んでまず思ったのは、お金持ち思考と一般人思考の違いでしょうか。

簡単に言ってしまえば、目の付け所が違うということなのですが、人は自分の見たいものしか見ないし、聞きたいものしか聞かないので本当に大事な部分を見落としがちなのだなと痛感しました。

冒頭から、日米の消費者物価指数についての考察があるのですが、数字だけにとらわれて、報道される内容のままに受け取ることが危険なのかが分かります。

一次資料に触れるのは大事なことですが、比率や比較という言葉が出た場合は、何を何と比べているのかということを意識する必要があるのですね。

情報の前後関係を把握することの重要性など、冒頭から考えさせられる内容でした。

断片的な情報も有益な情報となりうる

情報には大小あるって目からウロコの感覚でした

情報を収集することには躍起になりがちですが、その情報がどういう性質のものかっていうことを考えることはあまりなかったのですが、情報には種類があるのは驚きでした。

例えばということですが、情報には以下のような区分があるとのこと。

    マクロ vs   ミクロ

データ vs    ストーリー

【引用元:『億万長者の情報整理術』p.64】

それぞれの情報によって活用方法は異なるので、情報の性質を理解するのが第一のようですね。

さらに驚きだったのは、多くの公的機関でも得ている情報は公開情報だったりするとのこと。いかに情報の内実を正しく把握し、断片的な情報を丁寧に収集して体系的な知に結びつけていくかが情報収集機関の腕の見せ所とのことでした。

企業については、売上高と従業員数を知るだけでも企業の状況を知ることができるっていうのも目からウロコ情報でした。

情報は願望により作られる

自分の知りたいことしか集まらなくなっている!?

そして、今やニュースでもなんでも、自分の見たいものしか入らなくなっているのかなと気づかされました。

キュレーションサイトなど、個人の好みを分析してニュース提供をしており、自分で情報を検索して吟味しているつもりでも、知りたいことしか知らない状況であったりもするという話。

確かに、不要な情報は入れない方がいいのかもしれませんが、一歩間違うと情報の偏りが大きくなってしまいそうだなと思いました。

スティーブ=ジョブスやウォーレン=バフェットといった偉人の人物像についても、周囲が作り出している部分があるというのもすごく納得。

「真実」というものとは少しく違うのだなと、ついついなんでも信じてしまう自分には自戒になりました(笑)

当たり前を疑うことは重要

情報リテラシーはこれからの必須科目

そして、何よりもこれからの時代、情報リテラシーは金融リテラシー同様に身につけておくべきことといえます。(元から必要であったとは思うのですが、現代社会はお金や人間関係などに煩わされないためにより必須という意味です。)

  • 情報提供者の背景も理解するということ。
  • どうしても情報には「偏り」が出てしまうこと。
  • 情報に関してはブログやSNSも同様であること。

要するに情報活用には情報の持つ特性をしっかりと把握することが大事ですし、これを逆にいうと、何気無い情報の中にこそ重要な情報が隠されているという示唆もとても興味深かったです。

人から情報を得るというのは難しいことに思えましたが、生の情報ってやっぱり重要だなって痛感しました。

とにかく、この本を読んで今まで当たり前だと思っていた情報への対処法を変えていかねばと決意を新たにしました。

具体的な情報の収集方法についても触れられているので、章ごとについているまとめ部分を読むだけでも有益になると思います。(もちろん、全部読んだらより一層有益ですけどね!)

結論:どうやって金融系の情報を正確にゲットすれば良いのか?と悩んでいる人におすすめです。

冷静に情報を分析するためのエッセンスがつまっています!

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