さて、2020年4月27日(月)のお昼頃、日銀(=日本銀行)さんが国債の無制限購入などの追加金融緩和政策について報道が出ました。
日銀は27日、金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和策を決めた。新型コロナウイルスの感染拡大で経済が急速に悪化するなか、…
何かと話題にのぼりやすい日本銀行ですが、基本的なことについては中学生で習います。
いわゆる日本の中央銀行ですので、他の国や地域の中央銀行と肩を並べる存在です。
アメリカの連邦準備銀行(これを束ねるのが通称FRBと呼ばれる連邦準備制度理事会)とかEUの欧州中央銀行(通称ECB)とかと同じように影響力のある機関でもあります。
今回はひとまず、日本銀行の基本的な役割についてまとめておきたいと思います。
一般的な銀行の役割については以下の記事にまとめてあります。
中学で学ぶ経済シリーズ第12弾、いよいよ私たちとお金を仲介する銀行についてお話します。 とは言っても、私たちとお金の間に間接的に関わる金融機関は他にもありますので、そのお話を先に簡単に伝えておきますね。 いわゆる間接金融と呼ばれ[…]
テスト的には(!?)両者の違いがしっかり理解できているかは大事なポイントです(笑)
日本銀行の3つの役割
中央銀行ならではの役割を担っています
まぁ、日本銀行のことなら、公式HPを見るのが一番ですが・・・日本銀行のHPぱっと見難しい感じですね。
有益な情報は提供してくれているんですけどね・・・、硬派な感じです。
最近は頑張ってYouTubeチャンネルもあるみたいです!(再生回数が・・・この時期ですので学習教材として活用してあげてください・・・)
日本銀行は日本の中央銀行なので、当たり前ですが中央銀行としてのお仕事をしています。
主な業務は以下の3つです。
- 紙幣を発行する(発券銀行)
- 税金などの預け先であり、国の仕事に関わる経費の支払管理をする/国債発行の手続きを行う(政府の銀行)
- 銀行などの金融機関に資金を貸しだす/銀行などの金融機関から預金を受け入れる(銀行の銀行)
紙幣の発行元というのは、分かりやすいですかね。
紙幣の正式名称は「日本銀行券」で、国立印刷局で印刷されています。
(ちなみに硬貨は政府が発行していて、造幣局で作成されています。)
もちろん、勝手にお金を刷っているわけではなく、政府と意見を交換しながらやっているのが現状です。
政府の銀行として、国税は日本銀行に預けられていて、必要なときは経費として各省庁へと渡っているということです。
もちろん、国の予算を組む時に、税収で補えない部分は国債で賄ったりしますので、その際に日本銀行が国債発行を担当しているということですね。
最後ですが、銀行の銀行として日本銀行は中央銀行ですので、一般的な銀行の役割を負っていません。
メガバンクなどの金融機関にお金を貸し出せても、一般の民間企業などに取引することはありません。
(そういう意味では、日銀のやることはどうしても性善説というか理(想)論に基づいた間接的なものになりがちです。)
同時に、各金融機関の口座が日本銀行に開設されています。
(だから、メガバンクとかの入出金は日本銀行にはわかっているぞって部分もあるわけですね。)
それと、ちょうど4月21日に日本銀行より年2回発行されている金融システムレポートが出ました。
日銀さんの考え的なことは少し読み取れるかな、と思います。
新型コロナウイルスのことを含めて考慮していることはよく分かります。
(一応)政府とは独立した機関として存在
経済の混乱を防ぎ、経済発展のためにお金の信用を守るのが使命
上からみると、「円」の文字になっているというのは偶然だそう。
1882年に設立されたのですが、西南戦争の費用を賄う際、政府が大量の紙幣を発行してインフレが激化したので、政府から独立して紙幣が発行できるようにするためにできたのが日本銀行です。
設立目的自体が、急激なインフレを抑止するため、なんですね。
インフレの激化などがなぜ困るかといえば、モノの値段がころころ変わったりして国民生活を不安定にするから。
物価が上がると相対的にお金の価値は下がることになり、紙切れ同然になっては意味がないので、ある程度のお金の「信用」を守ることも日銀の役割ということになります。
こうした大きな役割を担っている日本銀行は、年4回景気判断の指標ともなる日銀短観を出しています。
景気判断のためのデータ分析などもしているので、気になる方は一つの参考になるかもしれません。
正直、初めて見ると何がなんだか・・・ですが、ポイントだけ押さえるなら割と簡単かも・・・?
きんゆう女子。さんのレポートにも読み方のヒントがありますのでご参考までに。
\経済ニュースが分かるようになる!/ このコーナーでは、金融業界で働く方々に気になることを質問していきます。…
景気変動などについては長くなりそうなので、別の記事に譲りますが、とりあえず日本銀行というのは、長期的な見通しでもって政府と上手に意見を交換しながら国民生活の安定のために、市場に出回るお金を調節している機関なのだということを理解できればひとまずOKではないでしょうか。
日本銀行の金融政策
公開市場操作が日銀の選択できる手段
基本的に金利を下げることで景気を回復傾向にもっていくのが日銀のお仕事です。
インフレ抑制のためには、逆にお金を引き上げるのがお仕事ですね。
今回のことについては、以下のような説明をしてくれています。(日本銀行もTwitterやってるんですね・・・すごい時代だ・・・)
金融緩和の強化について https://t.co/Ar4fqm1HvX
— 日本銀行 (@Bank_of_Japan_j) April 27, 2020
公開市場操作と言われていますが、現状日本銀行が金融政策としてできることというのはこの公開市場操作が主なところです。
とにかく、一般の個人や企業に対して日銀ができることはほぼなくて、お金がまわりにまわってくれるのを長期的にサポートするのが役割であり、日銀はなんでもやるって言っていますが、直接的に国民生活にインパクトを与えることができるわけじゃないのですね。
まぁ、ここまでやるってことですので、景気変動のことは別稿で書こうと思いますが、この次は政府からの財政政策(減税)来ないかな〜(特に「確実に消費を増やすための」減税)と期待しちゃうといったところでしょうか。
(あくまでセオリー的なお話でという意味ですよ、Sayasayanのブログは政治・経済のことで激論交わすブログじゃないのであしからずです(笑)。「デフレ対策には日銀は一般銀行から国債を買い、政府は財政支出をしたり減税する」って中学生の教科書に書いてあるので!)
でも、減税についてはドイツの事例もありますしね。
(これがいいかどうかも、慎重な議論が必要なところではあります。)
めまぐるしく政府も日銀も動いているGWですのでご家族内で語らう材料に、ぜひ使ってみてください。
あと、もう少し突っ込んだ内容としてはこちらの記事などが詳しいです。
みなさまのご参考になれば、幸いです。