さて、最近の中学生の教科書・資料集事情をご紹介しています「中学で学ぶ経済シリーズ」。
ひたすら書いておりますが、やはり自分のための備忘録といった側面が強いものですね。
でもまぁ、少子化となって教科書の内容に触れなくなっている人は多いでしょうから、何かのご参考になればと思って書いていますので、気ままに読んでくださいね。
第一弾では家計のお話を。
よく学校教育の期間に、「経済のことやましてや資産運用の話なんて学んでこなかった」という声はよく聞かされます。 多くの人が言うぐらいですから、そうした実感が強いのでしょうね。 実際に私もごくごく普通の田舎の公立校で育ちましたので、[…]
第二弾では電子マネーやクレジットカードについてを。
せっかくスタートさせたものなので、長く続けたいと思っています、中学で学ぶ経済シリーズ第2弾です。 第1弾はコチラ。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://sayasayan.com/kinyuk[…]
しばらく消費者としての心構えの話が続いた後、いよいよ重要な資本主義経済と企業の話に移ってまいります。
このあたりは、日本の代表的な大企業がたくさん出て来るので結構興味深いです(笑)
資本主義経済の定義について
大手企業の活動はインパクトがあります
さて、資本主義経済の定義についてですが、これは言わずもがなでしょうか。
もっとも基本的な経済活動である生産と消費のうち、生産を担っているのが企業です。
生産活動の元となる資金=資本を使って土地・設備・労働力といった生産要素を元に、財やサービスを生産します。
企業の生産活動の最大の目的は利潤の獲得であり、こうした経済活動のことを資本主義経済と呼ぶわけですね。
企業は、単純な生産活動を行うのではなく、利潤を増やすために、より良い財やサービスのための研究・開発、機械の増設や工場の拡大などの設備投資を行うものであるとしっかり定義されています。
企業活動によって、技術革新(イノベーション)が起こり、従来とは全くことなる商品の創出や費用軽減などによって企業に大きな利潤をもたらし、経済を大きく成長させる原動力があるとのことです。
イノベーションの大切さまですでに書かれているのですから、一体中学生のときに何を勉強していたのだろうか?と思わないでもないですね(笑)
とはいえ、企業と一口に言ってもその種類はさまざまで・・・というお話に続きます。
私企業と公企業
大手企業が軒並み紹介されています
さて、企業は大きく2種類あり、すべてが利潤を目的としているわけではないことも説明しています。
いわゆる国や地方公共団体が資金を出して運営する公企業と、利潤を目的とする私企業です。
企業は大きく3つに分類されるの。私企業には株式会社が含まれているわ。公私合同企業には岩手の三陸鉄道などのような第三セクターが含まれるよ。また、公企業には造幣局などのような独立行政法人や、水道などの地方公営企業が含まれるわ。 pic.twitter.com/0KIm2JaKI7
— 公民たん(時事) (@komin_tan) April 6, 2014
わかりやすい解説も出回っておりますね。
企業にはいわゆる個人も含まれるので、農家や個人商店、自営業者などが入ってきます。
より詳しく公企業や私企業を分けると以下の通りです。
公企業がおよそ20万社、私企業が約570万社ですので、こうしてみると公企業が少ないかが分かりますね。
すごいなって思ったのが、浜島書店『東京都版 新しい公民』には、日清食品グループの説明がいっぱい出ていてびっくりしました。(笑)
(出典:日清食品グループHP)
朝ドラマにもなったからでしょうか・・・日清食品グループの企業ヒストリーや安藤百福さんの写真なども取り上げられているので、日清食品グループのイメージアップというか、頭に残るなって素直に思いました(笑)
東日本大震災の被災地に派遣されたキッチンカーやケニアでのインスタントラーメン事業であるOishiiプロジェクトといったCSR活動といったトピックスが盛り込まれている感じです。
今ならSDGsを入れるところでしょうか、教科書としてまとまるのに時間が少しかかっている感じ(それでも毎年情報を入れ替えているのですから、すごいことですよね。)はしますが、企業の社会的責任への言及もされています。
日本のさまざまな企業も紹介
世界に誇れるMADE IN JAPAN?
あとは、企業は大きさによって大企業・中小企業の区分があるということで、さまざまな企業が紹介されていたりします。
一例としては、世界でもっとも先進的なプラネタリウムを作っている中小企業G社。
(出典:多摩六都科学館)
G社というのは、上記多摩六都科学館をはじめ、府中市郷土の森博物館や世田谷区立教育センターにも納品している五藤光学研究所さんのことなんですけれども。
なぜ大企業は固有名詞で出てくるのに中小企業はイニシャルなの?って思ってしまいましたね。
あと、海外で人気となった南部鉄器メーカーI社さんも創業110年の老舗企業として紹介されていました。当初はフランスの紅茶メーカーからの依頼でカラフルな鉄器を作るようになったのだとか。
オファーがあるとそれに対して応える力が強いのが日本企業といった印象ですね。
引き上げてくれる人待ちなところが、少し損をしているのでしょうか・・・。(人間でいうと私みたいです(笑))
ちなみに、I社は岩手県盛岡市にある岩鋳さんのようです。
カラフルな南部鉄器も一朝一夕にできたわけではなく、3年もの期間開発にかかっているとのこと。
(出典:ダイヤモンドOnline)
ダイヤモンドOnlineの記事がある通り、フランスで人気となって今ではベルギーなど周辺諸国でも重宝され、20カ国以上で販売されているとのこと。
グローバル化が進むにつれて海外に進出したり、商品の新しい販売先を探したりといった中小企業の現状についても触れられています。
海外のトレンドや動向にしっかりアンテナをはりながら、堅実な商売をしているといった印象ですね。
中小企業のポジティブな面だけでなく、国際競争の激化によって倒産も増えているといった現状もあり、独自のアイデアのベンチャー企業や高い技術力についても取り上げられていたけれど、すでに上述した通り、日本の製品や企業の良さってどこかに引き立てられて発揮される気がします。
良し悪しの問題ではなく、そうした自助ならぬ一部の他助(きっかけでいいんですけど)がいろんなところで起きてくれば、イノベーションももう少し生まれてくるのではないかな?と。
比較的新しいことを学んでいる模様
今の子は「今」を学ぶ、それが10年後に役立つとは限らない。
さて、資本主義経済と企業についての記述などを鑑みると、今の中学生は比較的現在時点での社会の視点を学ぶということがシリーズ3回目にして分かってきました。
今は、ジュニアNISAなども普及し始めていますので、子ども株主みたいな存在もありえますね。
そんな場合には、企業の評価基準として役立つかもしれないです。
つまり、もっとも役立つのは比較的直近の今なのですよね。
しかしながら、多くの生徒たちは、「今学んでいることが将来に役立つ」と思って学んでいるところがあります。(私もそのつもりなところがある。なんだかんだ受験も外せないし。)
しかし、実際に大人になったらおそらく言うんです、「学校でなんて必要なこと教えてもらっていない」って(笑)。
でも、よく考えれば社会科なんて社会が動き続ける(しかもそのスピードはどんどん早くなる一方)限り、どんどん変化していって知識は陳腐化するばかりです。
習ったこと自体は役立たなくなる側面もあることでしょう。
できる限り、最新情報を伝えるようにはしていますが、それでも言った先から古くなりますからね・・・ふぅ。
要するにこの意識と現実の乖離は埋まらず、先生は「学校教育なんて〜」の洗礼を甘んじて受けるしかないのかななんて思うし、そう思われるのも当然なところがあるって感じですかね。
でも、常々思うのは、歴史でも地理でも政治経済でも現代社会でもなんでもいいんだけど、いい加減「社会の事象等を学ぶ」から「社会の事象等から学ぶ」ことを大事にしようよという感じです。
私がこうして、恥ずかしながら私見を交えつつこのブログを続けるのもそんなところを伝えたいからかなって。
私個人はしゃべりもうまくないし、表現も決してうまいわけでもなく、論理的でもありませんが。
実は「学んでいることから引き出されるものにこそ価値がある」この本質を見失わないように授業を作っていきたいところです。
なんか、見えてくるものがあってすっきりしました(笑)、やっぱりブログは自分のために書いているのですね。
とはいえ、こうした考察をみなさまと共有することも楽しみだからブログは書いているのですけどね。
ここからいよいよ、株式会社や株式投資の話に移ってまいりますので、次回もお見逃しなく。