中学で学ぶ経済シリーズ⑦資本主義経済の中での労働について

中学で学ぶ経済シリーズもはや第7弾です。

最近は子どもをもたない人も増えてきているし、晩婚化・少子化が進んでいてなかなか学校でやることから遠ざかっている人が多いかなと思って、このシリーズを書いていたりもします。

基本的なことなので、当然でしょ?って思う人もいるかもしれませんが、意外と大事なことはしっかり盛り込まれている気がするので改めまして。

特に今回は、大事な労働の意義等について。

意外と残酷な現実も書かれていて興味深いです。

資本主義経済における労働について

「働く」ことははたを楽にするとは言うけれど

まずは労働の定義からですが、主な観点は以下の通りです。

  • 生活していくための収入を得るため
  • 仕事を通じて自分の夢を叶えるため
  • 多くの人と協働することで社会に参加するため
  • 社会の役割分担に参加するため

こうしてみると、働くことでさまざまなことを担っていたり、実現させているともいえますね。

現状、お金を媒介としつつ、働くことは人間にとって重要な要素を占めているわけで。

とはいえ、自己実現や社会貢献は働くことじゃなくても最近は遊ぶようにできちゃったりもするので、変に区別するのも変なのかもしれません。

そのあたりはフレキシブルにシームレスにもっとなっていくと良いのかもなぁと。

さて、そうはいっても私たちが生きるのは資本主義経済の社会ですので、労働力は一つの商品として売買されるものという側面もあります。

労働者は使用者に労働力を提供し、その見返りとして使用者から賃金を受け取るのですね。(ちゃんとこうやって教科書にしれっと記載があります。)

賃金や労働条件は原則として労働者と使用者との間で契約として自由にとり決めることが可能。

労働者はどうしても使用者に対して弱い立場になりがちともあります。

不利になるような交渉をするよりかは団結して労働組合を組織したり、法律でも権利が認められているわけですね。

有名な労働三法(労働基準法・労働組合法・労働関係調整法)があるわけですが、なんとなく生徒はこういうのばっかり暗記して終わってる気がします(笑)

いや、大事なんですけれども!

労働者と使用者は対等であり、男女同一労働同一賃金だったり、労働時間は週40時間・1日8時間以内とか、少なくとも週1日の休日とか労働基準法の内容は知っておいて損なしかなぁと

とはいえ、日本には労働に関する課題も大きく、特に長時間勤務や生産性の低さは問題視されています。

(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2017」

実は労働時間は減少傾向にはあるのですがサービス残業やずるずると長時間やってしまう生産性の低下、家に持ち帰るふろしき残業など目に見えないところが特に問題視されています。

何より過労死の問題は見過ごせないところですね。

過労死の防止対策を国の責務にする過労死防止法が成立するまでにいたっています。(まぁ、まだ努力義務ではあるのですが・・・)

あとは、日本の失業率がかつて終身雇用によって低く抑えられていたのに対し、企業がバブル崩壊後に合理性を優先したため、制度の維持が困難になったり、企業の求める人材と求職者の希望が合わないことも原因となり、就職氷河期世代の受難は続いています。

(出典:厚生労働省 年齢階級別完全失業率の推移

過労死については、長時間労働による疲労や極度のストレスから脳や心臓疾患などを発症し、死に至ることです。過労によるストレスから精神的な病気になり、自殺してしまう人もいるため、社会的に取り組むべき課題になっていることも説明されています。

それゆえに、どうしたらこうした問題が解決するかなどが議論されるようになっています。

ちなみに、資料集の事例では、マクドナルドHDの労働組合結成について記されていたり。

マクドナルドHDの労働組合は世界的に展開しているようです。

労働者の権利についても言及されています。

しかし、労働組合ができたからといって問題が解決するかと言ったらそうではなく・・・。

東洋経済オンライン

マクドナルドはピープルビジネス――。その創業以来のモットーが揺らいでいる。社内労働組合である日本マクドナルドユニオン(以…

マクドナルド以外にもファストフードチェーン店などでは、パートタイムでも参加できるようになっているとはいえ、なかなかうまくいかない側面もあるようですね。

日本の労働問題への改善策

ワークシェアリングやワーク・ライフ・バランスについても

そんな日本の労働問題への改善策の事例も紹介されています。

働き方という意味では、よくワークシェアリングの事例としてオランダが取り上げられます。

ワークシェアリング一人ひとりの労働時間を短縮して、より多くの人で仕事を分け合うことで人員削減を回避したり、新しい雇用を確保する考え方です。

生産性の低下や賃金低下に対する反発など問題も起こりうるのですが、オランダでは、1980年代以降失業率が上昇した際に積極的にワークシェアリングを取り入れました。

法律でパートタイムとフルタイムの対等の待遇(特に保険面)や同一労働同一賃金も実施。

失業率の改善にもつながったといわれています。

とはいえ、物事は一長一短でオランダにも課題はあります。

実際のところ、一度フルタイムから離れるとパートタイム的な仕事につくしかなくなる現実は日本とあまり変わりません。

一応、週2勤務でも正社員同様の福利厚生があったりしますが、将来のために今を犠牲にするといった感覚もあるし、勤務時間もちょっと変わっていてやりづらそうだな〜と現地にいた時オランダの方々を見つつ思っていました。

働く日はがっつり働いて、オフの時は完全に働けないみたいな自由度はあまり高くない印象でしたね。(それが当たり前って感じで働いているみたいだったけど、仕事に面白さとかあんまり感じている雰囲気はなかった・・・)

今はフリーランスで仕事もできたりするから、稼ぎたいって人は他にできることを探すって手もあるのでしょうが、時短とかだと業務の引き継ぎとかも大変そうで、そういった時間もとらなくちゃいけないっていうデメリットもありそうでした。

ただの心象ですけれど、幸せな国というのもひとくくりには言えないなぁと。

単純に私は合理性や効率的に物事を進めるのが好きじゃないっていうのもあるんですけれど(笑)

選択肢が多いとか、そんな感じではなかったのでワークシェアリングも考えものではないかな、と思います。

あと、ワーク・ライフ・バランスの事例だとモロゾフの短時間正社員制度が取り上げられていました。

2007年から取り組んでいるとのことで、かなり長く続いているようですね。

最近は他の企業でも進んでいるみたいですが、短時間だと職場での立ち位置が微妙になったりと問題は多い模様です。

いろんな企業で取り入れられているとはいえ、うまく職場を回すといった点では課題もありそうです。

日本の労働問題はさまざまありますが、課題がうまく解決されることが望まれるところですね。

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