さて、2019年春休みという時間を使って株主総会に行ってみよう!第二弾。
今回は、キリンホールディングス株式会社さんの株主総会に行ってまいりました。
要項は以下の通りです。
開催日時:2019年3月28日(木)午前10時(受付開始:午前9時)
開催場所:ザ・プリンスパークタワー東京 地下2階ボールルーム
東京タワーを眺めつつ、普段行かない場所にテクテク行ってまいりました。
さすがキリンさん、接客などもとても丁寧な対応でしたので、全般的に気分良く参集いたしました。
気になったところなどなどダイジェスト版をまとめておきます。
事業報告ハイライト
動画を活用したとてもわかりやすい内容でした
監査報告の後に事業報告ということで、主に以下の3部門からの報告でした。
- 日本総合飲料事業部門
- 海外総合飲料事業部門
- 医薬・バイオケミカル事業部門
全体的には、構造改革などを実施してビール強化に努めた結果、苦戦中のビール分野も主力商品の一番搾りをはじめ好調に推移したとのこと。
クラフトビールも良いそうで、タップマルシェと呼ばれるクラフトビール提供マシンもぞくぞくと出ているそうです。
売り上げの良い商品は、ビールだと本麒麟、氷結やストロング本しぼりといったものも売り上げアップ。
ワインのメルシャンは長野にワイナリーをもうけ、実は輸入ワインも盛り上がっているそうですので、酒類は堅調な推移といったところでしょうか。
清涼飲料水は、生茶や午後ティー、90周年のKIRINレモンが売り上げが良かったそうですが、缶コーヒーFIREなどは減少傾向とのこと。
利益率の高い缶コーヒーの伸び悩みは残念なところといえrますね。
これに対し、海外LIONはクラフトビールに注力。
ミャンマーブルワリーが好調とのことで、海外総合飲料部門も好調な様子です。
そして、今は医薬・バイオケミカル部門にかなり力を入れている模様です。
好中球減少症発症抑制剤のジーラスタやパーキンソン病治療剤ノウリアストなどなど協和発酵キリンからさまざまな治療薬が発売、海外展開していくとのこと。
QOLの向上や疾病予防面を強化していき、「食から医にわたる領域で価値を創造する世界のCSV先進企業」を目指していくのだとか。
いずれにせよ、動画を駆使したプレゼンテーションはわかりやすくて、連結とはいえ売り上げ収益2兆円を目指すとは、日頃ビジネスと無縁の個人としてははぇ〜の一言でした(笑)
さまざまな質疑応答
硬軟様々な質問がありました
質疑応答は、挙手制&一人2問程度といった印象。
大きな会場に適宜人員配置されていて、スムーズに質疑応答自体は進んだように思われます。
すべてを載せるのは難しいのでこちらはダイジェスト版でどうぞ。
Q1.協和発酵キリンのジェネリックについて。薬価改定などあるが売り物はあるのか?
A1.まず売るものがないということはない。ネスプなど30年以上やっているものも大事にしながら社会貢献できるようCSVを意識して社会課題に対応していきたい。
Q2.4月からの情報提供ガイドラインの施行に対してどのように対応していくつもりなのか?
A2.製薬会社として保有するデータなどはガイドラインにのっとり適宜情報開示していく。
Q3.配当2%程度だが、配当政策はどう考えている?
A3.配当性向は40%以上、設備投資に回す予定であるし、自社株買いも検討。
Q4.来期の売り上げは利益のマイナス面が大きいようですが・・・
A4.為替などの影響がある。ICTなど将来成長のための投資を今しておくべきと考えている。
Q5.協和発酵バイオの子会社化(※キリンHDが95%株式取得のこと)などでバイオ系は今後長期的にどうやっていくつもりか?
A5.協和発酵バイオが食と医を繋げる2027年ビジョンの基軸になると考えている。新規事業立ち上げなど検討している。
Q6.利益剰余金から考えるならば今の2倍配当金は出せそうだが?
A6.使わないお金は投資資金であり、安定的な経営のためである。無駄にお金を余らせるといった考え方ではない。
Q7.パーキンソン病治療薬ノウリアストなどで使用で連絡がきちんとつくようにしてほしいetc.
A7.パーキンソン病の臨床はいろんな形(久光製薬とのコラボなど)で進めているところである。アメリカなどの市場展開も考えている。
Q8.カジノについてはどのように考えているか?
A8.カジノについて考えていなかったが、キリンHD株式会社として参入予定は今のところない。アルコールなどの需要などはあるかもしれないが、いずれにせよ積極的関与はない。
Q9.あずさ監査法人とキリンHDとどの程度話し合いをしているのか?
A9.経理部門については詳細に見ているし、経営なども四半期程度ごとに話し合いやチェックなどがある。
Q10.2018年は目新しい事業がないような・・・
A10.キリン発酵バイオの子会社化など2027年への変化についてとても大事なことと認識している。
Q11.お土産がないから出席人数が減っている。出席株主と欠席株主は平等ではない。アサヒはお土産を出してるのに。ちなみに試供品はお土産じゃないのか。お土産を検討してほしい。
A11.2014年に単元株を切り下げてから、株主の増加により3年前から優待のみにすると取り決めた。株主の意見は参考にはするが、やはり公平性の観点など総合的に考えていく。
Q12.食と安全に関して、小岩井の牛の飼料の遺伝子組み換えが気になる。どんな取り組みをしている?
A12.ビールのしぼりかすを飼料にする取り組みをしているが、やはり遺伝子組み換え飼料をなくすことは難しい。その場合でも国が安全と認めたものでキリンの分析センターで安全が確認できたものだけを採用している。
Q13.総会のお土産は、お土産を取りに来るだけの株主もいるから不要だが、株主の出席率をあげるために土曜開催とかは検討しないのか?
A13.貴重な意見として参考にさせていただく。
Q14.アサヒビールとの比較、キリンならではの強みとは?
A14.2009年にトップを奪還したものの、アサヒビールとの差については意識している。2018年増収増益で社員の士気は上がっていることはお伝えしておきたい。お客様の立場を意識した取り組みを続けているし、品質の良さやCSVの意識はキリンならではの良さと思っている。
所感:やっぱりなんだかんだでファンが多い印象
ちゃっかり試供品もいただいてきました
熱い質疑応答ののちも、スムーズに進行したキリンHD株式会社の株主総会。
個人的に、総会お土産がない=お土産目当ての人がおらず落ち着いているはず!と思って参加したので、確かに株主数にしては会場の広さと人数のバランスが少し悪いか・・・とは思っておりましたが、終始興味深く過ごしました。
試供品という名のお土産後出しの方が寝耳に水でしたね。
しかも結構豪華で、これはお土産ではなく試供品なのかぁとなかなか複雑な気分になりました。
もちろん、自社製品を受け取れるのは個人的に嬉しいといえば嬉しかったのですが(何かをもらって嬉しくならない人そんなにいない。)・・・。
展示スペースなどでは日本産ホップなどの新たな取り組みやアルコールの許容度のパッチテストができたりと精力的な株主総会だなと思ったし、株主としてお土産あるなしに関わらずできる限り参加したいのですけどね。
なんだか質疑応答でも熱い議論が交わされましたが、なかなかお土産問題は根深いのだなと思いました。
以下はいただけた試供品の数々で、ビール・チューハイ・午後ティー・コーヒー・iMUSEのタブレットです。
こちらは、アルコールの体質をチェックするパッチテスト。
ちなみにアルコール弱い人判定でした(笑)
それと、やはりなんだかんだ株主側もキリンビールファンが多いのかな、と(笑)
アサヒさんをかなり株主側でも意識されている方が多いようで、興味深かったです。
その点では、基本的には酒類メーカーとしての責任を果たしていきたいというお言葉には期待したいところですね。
健康志向も強まっていてアルコールなどの逆風が吹いている印象ではありますが、今後もどうなっていくのかなかなか興味深いのでウォッチしていけたらいいな〜と思っています。