ある程度のお金が生まれると、それ以外のことに目が向くような気がします。
昔やってみたいなぁと思っていたこととかふと思い浮かんだりするもので、実は大学では心理学を専攻したかったことを思い出しました。
幼い頃から人と明らかに違う思考をしているところがあって、内省的な部分には常々疑問を持っていました。
誰しもが、世間と自分の差みたいなものは感じたり、悩んだりするかもしれません。
今回は、そんな自分をちょっとだけ許せる?そんなレッスンがつまったこちらの本をご紹介します。
著者と本の概要について
著者との共通点にワクワクドキドキ♪
著者は、アメリカのスタンフォード大学で教鞭をとる心理学の先生です。
かの有名なTEDにも出演されています。
こうして見ると、すごく自信のある方に見えますね。
本を見る限りでも知的なインテリ美女といった様子ですが、個人的にびっくりするくらい共通点がありました!
それだけでどんどん読み進めてしまう感じです。
かいつまんで挙げるだけでも以下の通り。
- 夜型であること。
- 想像的な活動をするときうつ伏せになる。
- 人からの感謝メールをもらって返事を忘れ、羞恥心から返信できない。
- 博士課程の時、アイデアが浮かんでも集まりでしゃべらない。
- Twitterで知的好奇心が満たされる(笑)
先生の失敗談というのが随所に盛り込まれているので、その意味では読みやすくて、感情移入しやすいといえばいいでしょうか。
有名な大学の先生ですらそうなのだから、自分に当てはまることがあっても「変なことではないのかも?」とか「こんなこと悪く思わなくても良いのかな?」って気分になりました。
抽象的なシンプルな法則の紹介ではあるのですが、実例が随所にあるので、具体的にどういった時に問題が生じ、その原因と対処方法は何なのか?といったことが明確に書かれています。
何より、かなりこれを読んで著者に親近感がわいて、なんとなく先生のいうこと聞いてみようかな?と思わせるところがさすがって感じです。
25のレッスンの中で指示がとても具体的
手順が追えるのは感情のコントロールの手助けに
書籍は25のレッスンが紹介されています。
主に、人生の中でうまくいかないときにどのように対処すればいいのかを心理学的見地から説明してくれているのですが、その指示がとても具体的です。
しかも、うまくいかないときに起こる感情の原因から解説してくれるので、そうした感情を一旦肯定的にとらえるのに役立つのがこの本の最大に良いところだと感じました。
常にネガティブな感情に対し、私たちはその感情自体が悪いと糾弾しがちなのですが、実はその後に出てくる他者をけなしてしまう排他的な心情とか自分の能力不足といった誤った認識の方が問題というのがかなり刺さりました。
今回、新たに発見だなと特に感じたのは、「陰口はてっとり早い自己PR」ということ。
私は、陰口とかを聞くとものすごくその場での居心地が悪くて、いわゆる狭い業界内での立ち位置が確立できなかったのですけど・・・。
あまり中身がないのに、まるで何かの成果のようにみんな陰口をしゃべっていたから嫌だったかなぁなんて振り返り。
あと、陰口というのはそれをしゃべり合うことでチームへの帰属意識を高める行為にもつながるらしいです。
つまり、逆を返せば陰口を言い合うことで相手としては仲良くなろうとしていたってことなのかもしれないって思ったら、なんか申し訳ない気持ちにもなってきました。
相手もおそらく、私のように陰口を嫌う人間を受け入れ難かったかもしれないなぁって思っちゃいましたね。
できることなら、生産的でネガティブな話題でない方が良いのですけど、やはり世の中で起こることは一長一短であり、かつ表裏一体。
今後は陰口をついつい言っちゃう人に対しても、進んで受け入れることはないけれど理解をもって接することができそうです。
ま、最近はかなり自分のハードルも下げて、いろんな人にネガティブな感情を言葉に出している最中なので、わりと大事なことなんだなと改めて思ったというのが実際のところでしょうか。
とにかく、細かいところに手が届くような解説になっていて、いわゆる原因と結果がはっきりしないと嫌といった理論派には納得のいくところが多い文章になっているのではないかと思われました。
良い面と悪い面をしっかり見つめる
大なり小なりのやり直しができることを教えてくれる
この本の中では、失敗やストレスに対する対処の方法が紹介されているのですが、物事や感情には良い面もあれば悪い面もあって、悪い方に作用して取り返しのつかないことにならないようにどうすれば良いかを教えてくれています。
つまり、何らかのネガティブな感情がある意味で当然の帰結であることを示し、そこからどうやって切り返していくか、ドツボにはまらずに自分の真の人生に邁進していけるのかというつまづきを取り除いてくれる指南書という感じです。
例えば、「今日やる気ないな〜」という感情で、ゴロゴロ何もしなかったり、テレビをずっとみちゃったり、ネットサーフィンを意味もなく繰り返したりする時。
それは、「具体的な方法が見つけられない」ことによって、能動的に何かをする欲求が満たされないために衝動的なことに走ってしまっているだけなので、ゴロゴロやネットサーフィンが悪いんじゃないって話なのですよね。
これを打開するためには、何か生産的なことをする時にやらされているという感覚ではなく、自分のやりたいことに引きつけて能動的に自分がやる仕事として認識を改めて取り組むこと(たとえそれが少し自分の得意なことと遠くても!)でやる気が作られるとも説明されていました。
つまりは、そうした状況にいち早く気がつければ、それだけ早く人生の中でやり直しがきくということ。
大なり小なりやり直しをしていけば、人生の失敗などというものは最終的にありえないということにもつながるのかなぁということのようです。
その意味では、いわゆる「失敗を糧にする」とか、「失敗を失敗としない」とか一般的な自己啓発本に説かれているような内容も表現の違いといった形で受け入れられるのかな、と。
他の失敗やストレスなどによる対処法については、ぜひ本書を読んでいただければと思います。
結構いままで謎に思っていた心の動きに納得のいく解答を与えられ、どうしたら受容できるのか参考になりました。
なんだか一般の自己啓発本を読んでも納得いかないなぁと思うことがある人は、こういった心理学的見地からの書籍も問題解決の糸口になるのではないでしょうか。