さて、コロナウィルスが猛威をふるう最中、いろんなイベントやセミナーが中止になったりと寂しい限りです。
春休みなんかもあって、とてもお出かけ気分満載でしたがしばらくはブログのネタもなさげ・・・。
しかし、小規模な会ということもあってか、運良く2020年2月20日(木)に開催された日経WOMANさん経由で、NVIC(農林中金バリューインベストメンツ)さんのオフィスで行われたトークセッションに参加してきました!
ゲストスピーカーとして山口大学教授で哲学者としてメディアにもよく出られている小川仁志先生が話をされるということもあり、テーマも「お金×哲学」・・・気になってどんな会かもよく知らず、思い切って行ってきました。
今回はお試し要素も大きかったようですが、NVICさんが今後定期的に開催していこうとしている「長期投資の学び場」シリーズの2回目とのこと。
イベント告知です。
日経WOMANさんと人気哲学者の小川さんと一緒にイベント「幸せになるお金の法則」を行います!https://t.co/wyWOodiDjL— 農林中金バリューインベストメンツ【公式】 (@NVIC_PR) February 8, 2020
農林中金バリューインベストメンツさんといえば、Fund of the Year2019においてアクティブファンドとして最高位の12位に輝いたファンドの運用会社さんですね。
今回は商品のお話は特になかったのですが、理念を理解してもらえれば金融商品の良さも伝わるだろうといった雰囲気を感じました。
今後もこうしたイベントをTwitter告知してやっていこうと思われているそうなので、気になる方は公式Twitterフォローをしてくと便利かも。
最近、メディア露出を積極的にされているのと、noteの活用もされているとのことで、なかなか興味深い運用会社さんです。
オフォスもとっても開放的な雰囲気で、バーまで併設されていました。
農林中金さんといえばおかたいイメージ・・・でしたが、子会社である運用会社さんの方が自由な雰囲気でしたね。
私は相変わらず、ペンを持つと他のことができず、コミュ障のくせにこういう場所には出かけちゃう縮こまったうさぎ野郎ですので、雰囲気はWakabaさんのお写真をお借りしまして(素敵なお写真ばかりです)。
お金×哲学、お金とは、投資とは、幸せとは
事前のアンケートの質問に答えつつ、スライド、白板を使って奥野さんと哲学者小川さんのお二人の熱いトークが展開😊
また一つ新しい世界が広がった感じ✨#NVIC #日経WOMAN pic.twitter.com/vgvTXJAGvc— Wakaba🍀 (@ER_Jun2017) February 20, 2020
トークセッションは名言が飛びまくりで、考えるところしきりでした。
ということで、どんなお話があったのか、Sayasayan主観でまとめておきます。
意外とドライ(?)な西洋の哲学者たちの名言もお楽しみください。
「一生自分の足で立つ」経済的&精神的な自立に向けて
キャリアウーマンたちのお悩みにも先人の知恵に答えアリ
そもそも、今回のトークセッションは、日経WOMANさんが「一生自分の足で立つ」というコンセプトのもとに出てきた企画とのこと。
参加してい多人の多くがキャリアウーマンでしたので、自分に必要なお金は自分で稼ぐ!幸せになるためにお金を使う!ってタイプが実際多かったように見受けました。
他方、「お金を貯めることが目的化してしまっていて、これでいいのか?」「もっと生きたお金の使い方があるのではないか?」といった質問が多く、みんな思っていることは同じなんだなぁと実感しました。
これに対しては、ジンメルという哲学者が簡潔にいうと「お金とは心と価値をつなぐ橋である」と説明してくれているそうです。(by『近代文化における貨幣』)
とどのつまり、お金は基本的に手段であり、何らかの価値の提供に対する対価であるということ。
個人も価値を他者に提供すればその対価が支払われるのであり、企業レベルともなれば社会的問題の解決にもなっている、とのことでした。
いわゆる、お金のもつ価値のモノサシとしての役割が強調されていました。
だから稼ぐことは悪いことではないってことですね。
かたや奥野さん曰く、価値と価格は分けて考えるべきもので、価値は形式的にお金に換算できるのだけれど、「価値とは自分が決めるもの、価格は人が決めるもの」だから人にもお金にも振り回される必要はなしとのこと。
自分の価値観を優先すると、他者との価値観の違いに辛く感じることもありますが、自分がコントロールできないところに悩んでもどうにもできないよ、とのことでした。
投資とは?幸福とは?
「有能の境界」を広げることが幸福のカギ
そんなこんな、お金の基本的なお話からスタートして、投資の話や幸福についてのお話へ。
利潤の最大化は企業の役割ですが、個人が果たすべきは幸福の最大化ですからね。
結論からいえば、「本来の投資は利他心からくるもの」。
(神の)見えざる手という言葉を生み出したアダム=スミスいわく、ざっくりいえば「財産への道(利己心)と徳への道(利他心)は一致させよ」(by『道徳感情論』)とのこと。
土地を購入するときに、その土地がいくらで売れるか?という投機的観点からではなく、その土地から何が生み出されるのか?と考えて土地を買うのが投資との例えが秀逸でした。
ちょっとここで、農林中金バリューインベストメンツさんのおおぶねの組み入れ銘柄のお話にもなり、付加価値の高い商品を生み出すNIKEや世界的に圧倒的シェアを持つコカ・コーラなどの紹介なども。
顧客の問題に対して解決を提供している世界シェアのある企業はやはり強い!といったことも改めて学びました。
そして、最後は幸せとは?というお話だったのですが、幸福「感」を得るための答えは簡単。
ラッセルいわく、『幸福になりたければ興味を広げよ』(by『幸福論』)
ということで、興味をもったものはやってみる!予算ベースになりがちだけど、それならお金のないものから興味を持っていけばよし!興味わかないなら、とりあえず人が面白いと言ってるものをやれ!という三拍子でした(笑)
【有能の境界を広げていくこと⇨幸福】の方程式だそうです。
自分のことで、今〜これからのことは変えられるけれど、過去のことや他人の現在や未来・大きくいえば環境は変えようがないので、とにかく、自分に集中するのが幸福になるための近道とのことでした。
そういう意味では、興味をもったことをやり続ける必要はあり、幸福になるために手っ取り早い近道は存在しないとのこと。
でも、自分の変えられる範疇に注力していけば、やがては過去も変わっていくかもしれなくて、自分で自分の機嫌はとれる大人=経済的だけでなく精神的にも自立した存在になれるという希望があって大変示唆に富んだ幸福論が聞けました。
自分が幸せと感じるのが、ある人にとっては仕事での成功であり、ある人にとっては余暇時間の充実だったりと幸せを感じるのは人それぞれだなぁというのも興味深かったです。
なんとなく、他人のことを気にしたり、環境に振り回されたり、嫌なこともあるけれど人間の愚かしさみたいなものが捨てきれないので、個人的には自分は少し不幸なくらいがちょうどいいのかも(笑)なんてのもちらっと思いつつ。
とにもかくにも、スピーカーの魅力満載のトークセッションでした。
懇親会でもいろんなお話を聞くことができたので大満足です。(わりと普段硬直しがちな懇親会ですが、人がどう思うかはほうっておいてお酒の場の勢い(←相変わらず一滴も飲まず)でゲストや参加者さんとお話できました、もう忘れたいことも多々あるけれど、それは今回のお話からいけば無駄、というものですね。)
今回は、いろんな縁が重なりあっての会だったようですが、とにかく農林中金バリューインベストメンツさんはこういった会を増やしていこうとの意向があるので、またの機会も期待してしまいます。
最近、本当に個人投資家向けにこういった説明会etc.増えてきて、さらにアクティブファンドはファンドマネージャーさんが前面に出てくることが増えてきて、これが時代の流れというものなのでしょうか?(笑)
しばらく、お出かけ記事が書けなさそうなので残念ですが、やっぱりこうした出会いがあるからイベント・セミナー通いはやめられませんね。