2014年にNISAという金融に関する非課税制度がスタートして、はや9年となろうとしています。
その後、つみたてNISAやジュニアNISAと呼ばれる他のNISAが誕生し、日本の投資家人口は増加しているといえます。
さて、当初設定されたNISAは一般NISAなどと呼ばれ、非課税期間10年でスタートしました。
つまり、2014年にNISAを開始した人がそのまま続けていたとしたら、来たる2023年までで一区切りとなります。
「2024年以降どうなるのだろう?」と思っていたら、新NISAという2階建の新しいNISA案が出て、その際も金融庁さんによる説明会がありました。
その時の参加レポートはこちらです。
さて、金融知識の浅いSayasayanですが、NISAは一般NISA制度が開始されて以来活用しているなんだかんだの古参ちゃんなので、お仕事の合間をぬって金融庁さんが開催された説明会に参加してきました。 説明会の様子は、すでにいろんな方[…]
結局今回新しいNISAの概要が決定したため、この時説明されたNISAはお蔵入りとなるのですけどね…。
ありがたいことに、2022年12月23日(金)に開催された確定した新しいNISA(名称はまだ未定)の説明会も参加申し込みができたので、オンラインで説明を聞いたのでその時のレポートです。
子どものお世話をしながら聞いていたので、ながら聞きでしたけどねw
ということで、詳細レポートはすでに他の方が書いていらっしゃるので、Sayasayanの私見たっぷりに備忘録を書いてみました。
難しいことは分からないけれど、新しいNISAのこと知りたいな〜という方などの参考になれば幸いです。
そもそもNISAとは?
「貯蓄から投資へ」を促進する国の非課税優遇制度です
そういえば、やっている人からしてみれば当たり前になっているNISAですが、知らない人は知らないものですよね。
そこでちょっと改めて今日本で実施されているNISA制度についてまとめておきます。
NISAとはNippon ISA(=Individual Saving Account)、つまり日本版ISAと呼ばれるものです。
ISAとは、1999年にイギリスで誕生した国民1人1人の資産形成を後押しするために作られた税制の優遇措置のついた個人貯蓄口座もしくはその制度のことを指します。
詳しくは昔書いた記事もあるので、ご参考までに。
近年は、金融教育の重要性が語られるようになりました。 NISAやiDeCoといった税制優遇制度が作られて、老後資金のためなどに活用する人もいるようですね。 そんなNISAですが、実はイギリスのISA(Individual Sav[…]
本家ISAは、もともと年度毎の上限額や非課税期間無期限などの特徴をもちます。
そしてこのイギリスの制度を真似っこして、日本人の資産形成を促進するためにNISAという個人の投資口座とその制度が2014年からスタートすることになりました。
その後、当初生まれたNISA以外のNISA制度が活用できるようになりました。
現在あるNISAは以下の3つです。
- 一般NISA(当初設定されたNISA)…2014年から投資上限120万円/年(2014年・2015年の2年間は上限100万円)×5年間の投資ができる非課税枠口座が持てる制度。
- つみたてNISA…2018年からスタートしたNISA。特定の投資信託だけが積立できる投資上限40万円/年×20年間の投資ができる非課税枠口座が持てる制度。
一般NISAとは併用不可。 - ジュニアNISA…2016年からスタートしたNISA。成人未満の未成年(現在は18歳未満)のための非課税枠口座が持てる制度。投資上限80万円/年×5年間だが、2023年までで終了。2024年以降新規購入はできないが、18歳になるまで非課税で金融商品継続保有することは可能。
詳しいことが知りたい方は、本家本元の金融庁のNISA特設HPを参考になさると良いと思います。
ここに書いてあることがすべてっていうのでしょうか、私みたいな下手なブロガーの記事読むより絶対良いですよw
NISA(少額投資非課税制度)のしくみや投資について基本から解説します。NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、…
とりあえず、従来は未成年はジュニアNISAを開設可能で、成人したら一般NISAかつみたてNISAを選べるといった形でした。
今回、2024年から新しい制度としての新しいNISAができます。
なので、従来のものから一般NISAとつみたてNISAの選択制はなくなり、成人国民は一つの大きなNISA枠を活用して資産形成をしてくことになります。
ちなみに、2024年からのNISAとそれ以前のNISAは全く別物とのこと。
制度自体がなくなるわけではないので、現行のNISAで積み立てている商品などはそのまま期間まで持ち続けることが可能です。
ただし、2024年からのNISAに移管することはできないので、その点は注意点といえそうです。
2024年からの新しいNISAの概要
現行制度は存続しつつ、新しい非課税枠がスタートします
さて、すでに言及した通り、2024年に始まる新しいNISAについても、詳しいことが知りたい場合は金融庁のNISA特設ページを見てください、が良いのではないかと思います。
一応、ここで説明などのために必要なので、金融庁のNISA特設ページより内容をご紹介しますね。
2024年以降の新しいNISAの概要は以下のとおりです。(聞いたことから多少内容補ってあります。)
(金融庁のHPより内容抜粋および改変資料)
基本的には一般NISAとつみたてNISAを合体させたような形で、生涯にわたって適応される非課税保有限度額を設定する代わり、それぞれ両方やることが可能になり、それぞれの非課税総額も大幅に拡充したといった内容となっています。
これを喜ばしいと捉えるかは…人それぞれでしょうかね。
でも、変な縛りなどがないのでNISAが一本化するという良いでも、シンプルな設計になったかと思います。
以前設計された新NISAのように積立投資しかできない枠を先に埋めなくてはいけないといった制限もないので、この大きな非課税枠の中で好きなように投資をして良いよ、ということだそうです。
だから、入金力を気にしないのであれば、毎年つみたて投資枠の120万円と成長投資枠の240万円の合計360万円を計5年で使い切るのが最適解といった声も聞こえるところですね。
まぁ、そんなことができるのは一部だけなので、つみたて投資枠だけ利用するもよし、成長投資枠だけ利用するもよし。
例えば、金額もつみたて投資枠で月々3万円(年間36万円)くらい積み立てて、時々優待ほしさに成長投資枠で日本株買ってみたりしても、保有期間中の税金はかからず、売却時の税金もかからないというのが魅力。
簿価方式で枠が再利用できるので、子どもへの贈与したい金額をうまく増やしてからあげるみたいなことも夢ではないかも!?といったところでしょうか。(ただし、リスクはとるわけだからマイナスになる可能性と贈与とみなされたらその点では税金かかるかもしれないので、慎重にお金は引き継いでいく必要があると思いますが…)
復活した枠は自分たちの老後資金のために使えたりといった点でも人の人生に寄り添っているような形になってくれたのかな、と思います。
個人的に全然質問できなかったのですが、気になっているのは非課税保有期間の無期限「化」と口座開設期間の恒久「化」。
おそらく無期限で恒久であると理解したいところですが、「化」とついている以上、もしかしたらだけど〜もしかしたらだけど〜いざ〜とな〜ったらハシゴ外されちゃうかも〜な気分にはなりました。
このあたりも制度設計してみて、実際にどのような利用をされるのかにかかっているとは思うのですけどね…
ひとまず、新しいNISAについては確定とのことですが、あくまでも現状での、と思った方が良いのかもしれません。
今後もNISA制度は変わるかも!?
iDeCoとともによりよく変化してくれることを願って
ひとまず、2024年からスタートする新しいNISAのコンセプト部分は確定とのことでした。
ただし、今回のように、NISA制度が消えることはなくても変更はある、というのは頭に入れておくと良いのかもしれません。
でも、国家として国民の生活のためにNISAを整備してくれているので、賢明な一国民・投資家として上手に活用したいなと思います。
また、国側はマネリテの高い株クラと呼ばれるような人ばかりを相手にして制度設計していないので、そこも忘れないようにしないとな、と改めて思いました。
ジュニアNISAに変わる未成年口座を期待する声も多かったですが、ジュニアNISAが結局親が自分のお金でもって火遊びしてしまった結果でなくなるのですから、そのあたりは国民側にも非があるかなと。
でもまぁ、基本的には今後も金融庁さんとしては、NISA制度をよりよくしていくために要望など出して行ってくれるそうです。
iDeCoの方も国民が使いやすいように変更があるのでは?というお話だったので、よりよい変化を期待&そうなるように国民全体でマネーリテラシーの向上を目指していかないといけないんだろうな、と改めて思いました。
(せんせい業として、そのあたりはがんばりたいと思いますw)
金融庁さんも、これからNISAに関する説明会をどんどんやっていく予定だそう。
投資家同士の交流の場なども復活していくのも素直に期待したいところだな、と思う説明会でした。