奨学金制度(大学院生用)を受けるときに心得ること

大学院生時代、修士・博士課程の学生用の奨学金制度を利用した立場から奨学金を受け取るときに心得ておくべきことをまとめてみました。

日本学生支援機構の奨学金制度について

できれば第一種が望ましい(でも一種・二種ダブル受給もいる)

最近に話題になっている、日本学生支援機構の奨学金制度

借りた方が良いとか、借りない方が良いとか意見はいろいろですね。

でも、実際に借りないと学業ができない人もいる(特に大学院生は)のですから、そこに選択の自由があるとはあまり思えません。

個人的に、とにかく奨学金に限らずその特性を知って利用すること

重要なのは、自分が納得して学業に励むために活用するべき、これに尽きます。

やはり、これからの時代奨学金の返済もシビアになると考えられるので、奨学金の内容や返済シミュレーションなどをよく考えておくべきでしょう。

まず、奨学金の概要についてです。

細かいことは、日本学生支援機構HPで確認することができますが、無利息の第一種と低利息の第二種があります。

第一種は成績優秀者しか受けられないと聞きますが、特に実績もなく入試を普通に通過した人間で第一種通りましたので、もらう分にはハードルはそんなに高くないように思います。

(もちろん、入試の成績は高い方が良いのでしっかり勉強してくださいね!)

それと、おすすめは全くしませんが、第一種と第二種をダブルで受給することも可能。

両方借りられると、一人暮らしでわりと余裕が出るレベルです。

アルバイトなどしていれば、生活に困ることはないでしょう。

第二種の利率は0.2パーセント代というのは驚異的に低水準(銀行こんな利率でお金貸してくれないよ!)ですので、比較でいえばお得とはいえるでしょう。

でも、将来就職できるかどうか???ですから、むやみに借りるのはおすすめできません。

平成30年以降から金額や利率なども少し変更があるようですね。

とはいえ、第一種で修士課程(2年)月額88,000円、博士課程(3年)月額128,000円が最大なのは変わらずかな。

いろいろ金額は選べるので経済状況に応じて利用すればいいという感じですが。

88,000円×24ヶ月+128,000円×36ヶ月=6,720,000円ですね・・・。

結構額大きめ、よく返したな自分(笑)

とにかく、借りる前にしっかりと金額は意識しておいて損はないですよ。

経済的負担がかかることは忘れるべからず

非正規でも返せるが茨の道である(一括返済したけど(笑))

奨学金のデメリットとしては、やはり経済的負担が大きいことですよね。

奨学金を借りて生活するということは、人生初の借入金生活ですので、ドキドキすることでしょう。

返せるんだろうか・・・?と悩んでしまう人もいることでしょう。

先に言っておくと、最初からそう考えてしまうなら、できれば借りない方がいいかな〜って思いますね。

安易に借りると痛い目をみます。

特に大学院生の奨学金支給額はかなり大きいです。

借金ではないけど、返すつもりでいないといけないものですしね。

それと、文系大学院で博士を出ようとすると5年で卒業できないことが多い(!)ので、プラスαの経済力が必要です。

私の場合は、日々の生活を切り詰めつつ、休学・留学(奨学金付)・日本学術振興会特別研究員(2年)でなんとかしのぎました。

でも、万人にはおすすめしないですし、すごく運もよかったので要するに万人に適応できないのです。

変化の多いこの時代、うまくいくことの方が少なくなります。

運がよかったとはいえ、節約もわりとえげつなかった(笑)

しかも、博士論文もいろんな条件が重ならないと出せないので、そもそも無事退院できるかどうかは自分の努力だけで済まない部分も・・・。

経済的事由はよくある話ですが、経済的な面でいうと女性の場合、学費のために体を売ったりってこともよくあって、結局学業が続けられずドロップアウトする人続出なんてことも。

しかも、それでちゃんと就職できたというパターンなら喜ばしいのですが、たいていどこに行ったかわからない・・・みたいな。

それでも、女性の場合はまだ結婚するという道もあって、そうすると精神が安定する人も多かったですね。

何をするにも経済的安定って大事だなと思わされます。

そして、大きなデメリットとしては、返済期間が細く長く続くこと。

月々2万円だし、後々ゆっくり返していけるのはメリットともとれますが、(普通はこんなに待ってくれない(笑))その2万円が結構重いと聞きます。

今は非正規雇用などで年齢があげれば給与があがるという時代でもありません。

結局ずっとお金を返済に使ってしまい自己投資に回せず、終わるなんてこともあるので注意が必要ですね。

私は後述するような理由があって、実は繰上げ一括返済というこれまた強引な手段をとりました。

結果として、うまくいかなかったこともあるけど、個人的にはよかったかなって思います。

借金という意識はほぼありませんでしたが、奨学金=負債として背負ってしまった感があったので、返しきるまでは何か新しいことをするときの障壁になっていたと感じます。

払い続けなければいけない2万円のことを考えなくよくなったのでとにかく身軽。

ボーナスなどでまとまった金額ができたら一気に返すのも一つの選択肢です。

実際、私も行動ができなくて、男性に依存がちになったりと副作用が大きかったので、30歳くらいまでで綺麗に清算できたことは、今こうしてブログを書いていてもよかったなと痛感しています。

免除制度を目指す気概で勉強すべし

何のために借りているのか?を忘れずに

それとふと思うのですが、奨学金は厳密には借金ではないと個人的には思っていまして。

なぜなら、免除制度があるから。

私も、当時の彼氏にあれこれ言われなかったら申請していただろうなって思っています。

(ここは男運のなさを笑ってください。次に説明します。)

もし、ちゃんと真面目に研究をしていて、修士論文や博士論文を出す段階にきていると仮定すると。

まとまった論文数が卒業までに必要のはずで、研究業績は揃っているはずです。

その上、例えば賞をもらったり、新規プロジェクトに関わったりと学生とはいえ、院生として評価してもらえる実績ができているはずです。

文系は、理系みたいに「特許をとる」といった派手なことはできませんが、その分免除制度の基準も曖昧で、結構日本学術振興会特別研究員&海外留学&国際学会発表(論文掲載)などなどetc.基本プラスαくらいで当時は免除されていました。

(今は厳しくなったかもしれないけど・・・)

哲学系でも、哲学カフェの運営とか地域コミュニティーへの働きかけみたいなもので実績になりましたし。

ということで、ちゃんと真面目に院生生活をしていると、免除申請できます。

大学に書類を提出するだけでコストほぼゼロ、学内審査を通過するとほぼ免除になるというありがたい制度です。

早くから社会に出て働かずに、院生として研究するってどういうことか?ってちゃんと意識して、やるべきことをしてください。

そうすれば経済的な面も、さして不安に思うこともなくなると思います。

最終的に免除申請がとれなくても、院生としてしごく真っ当に過ごしていれば、生きていく道はちゃんとできていくし、研究から離れて非正規雇用でも奨学金を返すくらいなんとでもなるので、とにかく、研究すること。これに尽きます。

もし、私がレアケースというなら、それは周りが「社会に出て働きたくないから」「良い就職先がなかったから」とネガティブな大学院に進学したのとちょっと違って、「研究を続けて、ドクターになって(大きなインパクトでなくても)社会貢献したい」と思っていたから。

違いといえばそれぐらいなものです。

当時から、普通に(就職氷河期でしたがわがまま言わなければ)就職活動すれば就職できたろうって思っていたし、おそらくできただろうな〜って今でも思っています。

「してないんだから、できなかったんじゃん」って言われるかもしれないですけど、当時の私の環境が「就職しても良い」「大学院で研究しても良い」状況(今は違いますよ(笑))で、要するに選べたんです。

つくづく書いてて思います、運がよかったと。

今、やりたいこととかよくわからないなら、さっさと就職して社会で経験積んだ方がいいって言われることが多いですよね。

実際にそう思います、だからこそ院進学するなら、ちゃんと動機を明確にしておくこと。

モラトリアム期間とはいえ、同世代は働いて経験を積んでいるってことを忘れないこと。

それだけで、だいぶ違うのではないでしょうか。

他の奨学金なども検討してみては?

少しでも余剰資金を作って運用するのもアリ

あと、奨学金といえば、日本学生支援機構のものって思いがちですが、実は他にも奨学金って結構出ているんです。

しかも、修士の学生ならほとんどやる気と書類を書く根気があればとれそうなものがごろごろ・・・(笑)

無駄に海外への派遣も文科省が推しているので、海外への旅費を出す奨学金は官民問わずわりと潤沢なことも多いです。

海外行かなくてもいいし、めちゃくちゃ少額のものでもいいんです。

10万円ぽっきりなんていう奨学金もありますが、大事なのは、「奨学金を受給できるような研究をしている」という研究業績とは違う、もう一つの業績になる点です。

しかも、嬉しいことに日本学生支援機構の奨学金を借りながら受給ができるんですよ!

日々の生活は日本学生支援機構の奨学金+アルバイトなどでなんとかなるでしょう。

そこに別の奨学金入ってきたら、これは余剰資金ではないですか!?

もちろん、研究費として使えというしごく真っ当な奨学金も多いですが、それならそれでそちらは研究費にあてて、生活費の方多く余らせられませんか?という話。

今なら絶対に大学院生の頃から少額投資してたなぁって思いますもの。

自分には投資もあるっていう精神的な安定にもつながったかもって思わずにはいられない・・・。

すぎたことは考えてもしょうがないですが、文系大学院生こそ、将来糊口をしのぐ稼ぎが得られるか不確定要素が大きいので、早いうちから資産形成の道を細くも作っておく必要があるのでは?って痛感します。

いずれにせよ、民間の奨学金などもチェックしてみると思わぬ掘り出し物に出会えて経済的な助けにもなるかもしれませんよ。

多少の手間がかかりますが、少しの労力で実績もつくのですからやらない手はないのではないでしょうか?

世間の目は厳しいかもしれない

私は結婚できなかったんだけど(経験談(笑))

でもね、本当のところ(ごくごく一般的な家庭に育った)文系大学院生の苦難というのは、「周囲にごく一般的な人が少ない」ことにあると思うんですよねぇ・・・。

まぁ、常々文系の学問が発展してきたのは、要するに経済的・時間的余裕がある人々が担ってきたからなんですよね。

要するに、お金のことを気にしなくていい人たちの寄与率が大きい。

普段すごく清貧な生活している人たちなので、ぱっと見わからなかったりするんだけど、よくよく聞いてみると、実家が資産家とかザラで、自分一人くらいからフラフラしていても大丈夫・・・みたいなパターンの多いこと多いこと。

したがって、奨学金を借りて研究やってるというのはかっこ悪いというか、そんなやついるの?みたいな人に出くわすことがあります。

それでね、そういう人たちは世間を知らない人たちでもあり、ごく一部であってほしいのですが、「奨学金を借りないと学問ができない」人なのだと、レッテルを貼られることもあるんですね。

本当に稀ですが、そういった苦学生とは付き合いたくないって人もいます・・・。

そして、個人的な経験で申し訳ないのですが、奨学金のおかげで私は当時付き合っていた人に別れました。(全然懲りずにその後も恋愛面ではしくじってばかりなのですが、お金は本当に人生において大きな影響力を発揮してくれちゃいます。)

その相手とは、結婚を意識していた間柄だったのですが、いわゆる相手がお坊ちゃんでして。

当時彼氏から、「奨学金をウチで返すことになるわけ?」みたいなことは言われていたんですよね。

なんでそんなこと言うのかな〜?って、若かった私は気がつかなかったんですけど・・・

結局ね、すでに相手はご両親などからいろいろ言われていたようです。

奨学金を借りるような家の女性と結婚はNG」っていうね。

嘘みたいな本当の話で、語るのもイヤなことがいろいろありました。

その時に奨学金も一括返済したわけですけど、二人の関係性は悪化するばかりで・・・

結局相手は親が選んだ女性と結婚していきました。

まぁ、私も私個人のことなら何を言われてもよかったですが、家のことを引き合いに出されて、両親等を侮辱されたようなものでしたので、結婚うまくいかなくてよかったと思っていますが・・・

とにかく、たかが奨学金、されど奨学金

色眼鏡で見る人も未だにいるのは事実です。

奨学金を活かすも殺すも自分次第

お金は善でもなければ悪でもない

ちょっと怖い(?)話もしてしまいましたが、奨学金を活かすも殺すも結局は自分次第とおうことでしょう。

お金自体は善でもなければ悪でもありません。

貴重な院生時代にお金のことを気にせず研究に没頭したいというなら、奨学金を借りて(周りも気にせず)研究するのもアリです。

でも、日本学生支援機構の奨学金だけがすべてではないし、選択肢は増えてきています。

重要なのは、自分で納得して活用すること(決して飲まれてはいけない!)です。

お金のことですので、やみくもに利用するのだけは避けるのが得策といえるのではないでしょうか。

ささやかな老婆心ながら、今日は熱く書いてみました。

ご参考になれば幸いです。

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