正直、これを読み切って泣いてしまいました。
両親には本当に感謝だし、他人に優しくありたいなと改めて思わせてくれた書籍です。
タイトルについては、少し邦訳が誤解を与えそうですが、インパクト大なので今の世の中で生きづらいと感じる方におすすめの本です。
私と似たような方に向けて、『内向型人間の時代』のご紹介です。
内向型・外向型というタイプについて
著者の実体験などでわかりやすいです
まず、内向型・外向型という人間のタイプについて解説してくれている書籍です。
簡単にいえば、
- 内向型=興味関心が内側に向きやすい人
- 外向型=興味関心が外側に向きやすい人
といえます。
それゆえ、他人や環境(=自分の外側)に対して過剰に反応してしまう人=内向型の特徴とのこと。
少し内気と違うという話ですが、概ね内気と理解しても差し支えない範囲と思われました。(厳密には違うようなので、そのあたりは書籍を読んでご確認のほどよろしくお願いします。)
パーティーなどで特に何もしてなくても気づかれをして疲れる、仕事以外では一人でゆっくりとしたいといったタイプ。
人に喜んでもらうのは好きだけど、過干渉は嫌気を感じるいった類ですね。
詳しくは本書にてチェックリストがありますので、自分がどちらのタイプなのか調べてみると面白いですよ。
まさに私は内向型で、仕事中はかなり元気良く立ち回るのですが、いかんせん生徒対応は疲れてしまいます。
そうした刺激に弱いので、家に帰ってきたらたいていは、完全にオフモード。
一人で静かに音楽聴いたり、読書したりが最高の癒し時間。(人と会うのは嫌いじゃないけど、嫌われるんじゃないか?などと余計なことしか考えてない。)
このタイプの厄介なところは、孤独には耐えやすいが、少数の理解者は必ず必要ということ。そして、理解者を得るためには、外に出向かなければならず、社交性というものがある程度求められるところと思われました。
いずれにせよ、著者の実体験を踏まえて、内向型の特性などが綴られているのがこの書籍の一大特徴です。
内向型の処世術について学べる
歴史上の人物が登場するので歴史好きにはたまりません
この本では、「内向型は素晴らしい特性があり、それを生かして社会を大きく動かしてきた人物も多い」ことを紹介してくれています。
例えば、セオドア=ルーズベルトの奥方だったエレノア=ルーズベルトは、その知性で男性を支えた偉大な女性の一人。
『源氏物語』でいうところの花散里みたいな感じで、おとなしいけど伴侶の良き相談相手であり、優秀な参謀といった印象。(エレノア=ルーズベルトさんはお綺麗ですけどね。)
華やかなパーティーなどは秘書などに任せて、(それで大統領に秘書と浮気もされるが)まさに裏方として政治生命をつないだ人でもあるとのこと。
内向型だからこそいざという時にすごいエネルギーが出たり、優れたアイデアを出せるといった表現が見受けられ、内向型だから・・・と落ち込んでしまう人にとっては勇気をもらえるお話も収録されています。
何より、内向型の処世術についても言及されているのが大きいですね。
書籍の中では、「スイートスポットを見つけること」という表現が用いられています。
言い換えれば、自分にとって居心地の良い状況に身を置くということなんですけどね。
刺激があまり強過ぎない環境を探るのが大事ということみたいです。
いうなれば、人によってストレスを発散すると言っても、大勢の人に囲まれて心地良い人もいるし、少人数の人に囲まれるのが良い人もいれば、一人がもっとも安らぐといった人もいるということ。
しかも、こうしたストレス解消法は、その人の年齢やライフスタイル、ライフステージなどによって異なるので、その時々にあったものを選択すべきとのことでした。
内向型は投資家向きかも?
ウォーレン・バフェット氏が事例に
とにかく、内向型であれば、内向型なりに戦略的に生きること(=戦略というと聞こえが悪いけれど、自分らしくいられる状況をつくること)が重要というのがこの本の骨子にはあると思われました。
書籍の中では、内向型の一例としてウォーレン・バフェット氏も紹介されています。
投資家というのは、自由裁量ですし自分なりにできるという意味では誰でも取り組めるのでじっくり考える能力が高い内向型向きといえるのかもしれません。
とある研究では、IQが同じでも、内向型と外向型とでは投資の成績で内向型の方が勝るものもあるそうです。
それゆえ、内向型の人の中には、資産運用とかで才能を発揮される方も多いかもしれませんね。
気分が少し楽になりました
自分の時間を大切に&言い訳にはしないように
個人的には、何気なくずっと感じていた劣等感に対しての回答を得たように感じられたのがこの書籍を読んでよかった部分です。(内向型だとどうしても劣等感を感じやすいそう。)
「自分らしくあればいい」とか、自己啓発本でもよくあるけれど、どうしてそうなるのかなぁ?と思っていたのでそこあたりがクリアになっただけでもこの本を読んだ価値があるというものです。
それゆえ、人と会わない時間を無駄とか言わないようにしようというのと、内向型だから・・・というので、あまり言い訳もしないように気をつけようとも思いました。
やはり、「明るく活発で誰とでも仲良くなれる」みたいな人が勝ち組になりやすいのは事実だし、外向型のように振る舞うのが良いときというのもあるので、特性を理解しつつ社会に貢献していきたいものですね。
ともかく、この書籍は内向型だからダメなんていうことはないと大変勇気づけてくれる書籍です。
ちなみに、この本を読んで泣けたのは、親には本当に申し訳ないことをしているなと思ったところが大きいですかね。
偶然にも、親から自分の幼少期の話とかを聴く機会があって、鷹揚な両親なのですが、正直私の教育については小さい頃から「これでいいのか・・・」と思っていた(今でも思っている)そうです。30も過ぎて嫁にいけないことなんて些末な問題だそうです(汗)
鷹揚な両親だから良かったこともあれば悪かったこともあるので、こうした知識とかはあるなしで教育変わるよなぁとは身を持って考えさせられました。
自分のことは今からでもできることはやるとして(笑)、世の中にはいろんな人がいるわけだし、うまく関わっていくためにも自己理解は基本だなと思いました。
自分が内向型かも?とか内向型の人との付き合いはどうしたら?と思っている方がいらしたら、良い参考書になるのでご一読あれ。
※ちなみに現代は、内向型人間もいれば外向型人間もいる複合的な社会なので、決して内向型人間の時代とは言い切れないので誤解はしないでくださいね。