誰もが幸せになりたいって思うものですよね。
お金持ちになりたいとか成功したいとか、それが人間の自然な欲望といいますか。
「幸せな人生のために何をしたら良いのか?」正直、これが明らかになってしまうと、途端に人生がつまらなくなってしまいそうですが、橘玲さんの『シンプルで合理的な人生設計』はそうしたことにズバッと切り込んでいます。
すでに既刊の『幸福の「資本」論』で、基本的なところはすでに述べられている通りです。
海外事情にも詳しい橘玲さんはご存知の方も多いかと思います。 ダイヤモンド・ザイオンラインなどの連載コラムも大好きでよく読ませていただいていますが、やはり書籍も興味深いので、僭越ながら今回は『幸福の「資本」論』についてご紹介させていただ[…]
今回は、合理性をなかなか受け入れられない不合理な人間にとって、どうしたら幸せになるか、行動経済学などの視点を含めて少しだけ軸足を動かしてまとめられています。
なかなか感情的に受け入れ難い幸福になる方法を自分に取り入れる方法がのっているので、個人的に興味があったところなどを含めてご紹介しておきますね。
みなさんの参考になれば幸いです。
合理的な人生設計で幸福な成功者になれる
「お金持ちになること」は悪いことではない
つまるところ著者の言いたいことは、「論理的・数学的知能が重視される高度化された知識社会では、合理的な方が成功しやすいのは明らかなのだから、幸福の土台(金融資本・人的資本・社会資本)を合理的に設計しよう」に集約されています。
問題なのは、そこまで多くの人は割り切れないということ。
効率ばかりを求める生き方も面白みがないですものね…。
とはいえ、著者の提示する合理的な生き方には、確かに幸福になるための要因があるわけで、そのあたりが前半で理論として語られています。
- コストパフォーマンス(コスパ)・タイムパフォーマンス(タイパ)・リスパ(リスクパフォーマンス)の最適化
(極論人付き合いを減らせば良いがなかなか難しい。それを減らせない若者は人間関係を継続するためにこれらを意識しがち。) - 健康は何よりも重要な資本
(そのためにしっかり睡眠をとり、適度な運動が重要。) - なんだかんだで金融資産を持ち、年収をあげるのは幸福になるのに有効
(お金があれば選択肢を減らせるし、安心感につながる)
幸福になるための一つのポイントは、選択肢を減らすこと。
今はいろんなものが選べるので、情報量も多くて今まで以上に情報の取捨選択が重要な時代になっています。
その点で、お金があれば日々の買い物から細かいことを気にしなくて良いですからね。
また、なるべく変えられない状況を嘆くより、変えられることで自分が良いと思う選択をさっさとしていくことも大事なのだと痛感しました。
選択することは苦痛なのだけど、それを先延ばしにしていけばいくほど選択することを自分で増やしてしまうだけなので…。
ダラダラ生きてたら、それだけで幸福度が下がる生き方になるってことですね。
基本的には条件がそろえば幸福になれる
ニッチなところを狙って自分を高めることは何歳からでも可能
また、人的資本(社会にとって必要な人材であること)・社会資本(良き仲間に囲まれていること)・金融資本(文字通りお金のまとまり)のうち、とにかく再現性が高いのが金融資本とのこと。
年収800万円、共働き世帯で1,500万円、金融資産でいえば1億円のラインというのは、慣れてしまえば幸福度にさほど寄与しないとはいっても、そこに至るまでに幸福度への寄与は目減りしないので、「幸福になりたいなら、お金持ちになれ」は一つの真実のようですね。
また、お金を持つには収入をあげることが必要不可欠になりますが、そのためには自分のスキルを高めることが必要です。
これについては、いろんな視点から語られていますが、以下のようなことを念頭においておくと良いでしょう。
- エッセンシャル思考で自分の強みにフォーカスする
- 天才は一握り、その天才は並々ならぬ努力ができる人なので、それができない場合はその道での大成は残念ながら、ない。
- とはいえ、身につけたものが無駄になるわけではない。常々マネタイズを意識し、自分の立ち位置を自分の能力を活かせるところに移動させていけば、最終的な成功を手にすることができる。
結論からいえば、「凡人は天才には勝てない」という身も蓋も無いことなのですが、ゆっくりと成功する道は残されているともいえます。
競争の勝とうとするのではなく、自分が競争しなくても良い場所に移動する。
万人受けではなくニッチを追求することで、一部なコアな人にヒットすることが重要。
常に自分の人生を最適化していく(そのために動く)ことをやめなければ、最終的に人生全般に満足して終えることができるということのようです。
もう中年になって…という気持ちは確かにあって当然のものですが、今からでもできることはあるので、新しいチャレンジをどんどんしていけば良く、ナンバーワンでオンリーワンの場所を見つけられると強いというのは心に刻んでおきたいところです。
あとは、やりたいことないな〜となったら、ひとまずお金を稼ぐも全然ありですねw
(収入が増えることは幸福感を感じる重要なファクターですからね。)
世の中の変えられないことを変えようとしない
親から受けたものと子どもからは逃れられない事実
とにかく、自分に才能がないことがわかったら、さっさとその道は諦めて次の場所に移っていくことも大事ということがよく分かりました。(残酷な事実ですが、だからといって人生捨てたものでもないってことですね。)
ただ、この「変わらないものを変えようとする」という動き、つまり不合理な選択は根強いものなのですよね。
いかにこの変えられないものを受け入れていくか、人生の課題だな、と痛感します。
何より、何を幸福に思うか?も親からの遺伝や教育が大きく、結婚は離婚すれば解消できますが、子どもを持つことは後戻りができないことなので、やはりある程度の覚悟はあった方が良いとのことでした。
まぁ、その意味では私なんて「家族みんなでほかほかなごはんが食べれれば幸せね〜」っていう親(今でもそう言っている)の下に生まれているので、それが幸せなんだって思ってる点では幸せの閾値が低くて良いことなのかもしれません。
同時に、子どもにも「富や名声を追い求めることが幸せである」とだけ教えることには抵抗があります。
分かりやすいし、お金も人に認められることも大事っちゃ大事なんですけどもw
いずれにせよ、本書は人生の成功法則が詰まった書籍になっています。
気になる方はぜひ直接手に取ってみてくださいね♪