中学で学ぶ経済シリーズもいよいよ第9弾となりました。
市場経済の仕組みは、誰もが通る道であり、中学生も話を聞いて、必ず需要曲線と供給曲線についてテストに出るので記憶に残る人も多いようです。
でも、グラフを暗記すればいいというわけではなく、本当はその中にある本質をとらえないといけないのですよね。
実は人間でさえも売買されている対象であるという残酷なことも読み取れるそんな話が教科書にも書いてあるということ。
(まぁ、それに触れることはほぼないのだけれど、読み取ろうと思えば読み取れる内容がいっぱいという話です。)
今回は、そんな市場経済の基本と価格の変化についてのお話を少々ご紹介したいと思います。
市場経済とは?
これちゃんと学ぶと、仕事は選ばないとね・・・(汗)
市場経済とは、商品を売買する場を市場(しじょう)と呼び、その商品が売買される場全体が私たちの社会には張り巡らされている経済のことを指します。
特定の場所ばかりを指すわけではないですが、売りたい人と買いたい人によって需要と供給が形成されて調整の結果価格が決まる場が市場(しじょう)となるそうです。そこで野菜が売買されていれば、野菜市場(しじょう)、原油が売買されれば原油市場(しじょう)となるわけですね。
野菜は、卸売市場で取引されたり、原油は証券市場で取引されたりしています。
そして、若年層の労働力は、合同会社説明会など就職活動の場において売買契約が行われるとみることができるわけで・・・
本来市場は自由に何かが売買されるわけですが、今の日本の労働市場は需要と供給が調整されてモノやお金が効率よく行き渡っているとはいいがたいかもしれないですね。
いずれにせよ、こんな怖い話はしなくても良いことで、生徒たちには・・・
- 夏休みの旅行代金が高くなるのってなぜだろう?
- 美術館のチケットが前売り券と当日券で料金違うのはなぜだろう?
- ディスカウントストアの方が一般の電気店より製品が安いのはなぜだろう?
- ノートやえんぴつの値段が1年中変わらないのはなぜだろう?
- スーパーマーケットで閉店間際に割引が行われるのはなぜだろう?
- 同じ仕事でも昼と夜のほうが1時間の時給が高いのはなぜだろう?
といった質問を投げかけて、需要と供給について考えさせるといった流れになっています。
市場価格の決まり方について
需要と供給と均衡価格
そして、有名な需要曲線と供給曲線の話に移っているわけですが、重要なのは、消費者は価格をみて買おうとする量(=需要量)を決め、生産者も価格をみて売ろうとする量(=供給量)を決めるようになっています。
一般的に価格が上がれば需要量が減り、価格が下がれば需要量は増えて供給量が減ることに。
買いたい人がいれば価格は上昇し、買いたい人が少なければ価格は下落するわけですね。
(出典:大学入試のための政治・経済)
需要量と供給量が一致したとき、価格の変化はやみ、市場は需要と供給のバランスがとれた均衡状態に入ります。
需要量と供給量が一致し、市場が均衡状態になる価格を均衡価格と呼ぶわけですね。
消費者としては、高すぎると買えないし、安すぎるとたくさん買えるわけですし、消費者としてはできるだけ高く売りたいし、安くしか売れないならそんなに作りたくないというのが一般的な考え方となっています。
とはいえ、生鮮食品などの収穫量などは完全にコントロールできるわけではありませんので、供給量の調整が完全にうまくいったりするわけではないですね。
市場価格の変動について
価格変動はさまざまな商品で起こりうる
そして、こうした価格が変動する理由として、供給量の変動→価格の変動につながっているという話になるわけ、どういうわけか、基本的にきゅうりが事例にあがっています。
(出典:日本文教出版デジタル教科書)
一般的な説明では、野菜や魚など生鮮食品の価格は、季節や天候によって生産量が一定にならないため、価格は変動しやすいとなっています。
それゆえ、安定的に生産できる工業製品の価格はあまり変動しないとされています。
しかしながら、特に金融市場などで取引されている商品は、生産量の調整以外のところで価格が変動したりして、安定的に生産したから価格が必ず安定するというわけではないですね。
基本的には、市場経済では価格(市場価格)が上下することによって、労働力・土地・資金などの流れが調整されるのが重要。
生産資源が無駄なく効率良く利用されるのが理想とされているのですが、現実はなかなか・・・。
でも、こうして考えてみるとどういったところに力を入れていくのが良いのか?ということが見えてきますね。
市場経済がすみずみまで行き渡っている現代社会だからこそ、基本的なことをしっかり押さえたいものです。