遅ればせながら、2019年11月1日(金)に開催されたバンガード・インベストメンツ・ジャパンのブロガー交流会に参加してきました。
水瀬ケンイチさんからお声がけいただき、のこのこと日本の本社がある溜池山王へお出かけ。
いろんな場面で水瀬さんの気配りもあった会でした、ありがとうございます。
とろいSayasayanは諸事情いろいろあった上、当日時間ギリギリアウトですぐに入れず、泣きながらバンガードさんにお電話して遅れて参加しました(笑)
あたたかく、迎え入れていただけて本当によかったです。(そういう意味では当日何かありましたらこちらにご連絡くださいの連絡先があったら嬉しかったなと思いました。←私ぐらいのものですよね・・・)
さて、当日のレポート等についてはすでにいろんな方が触れられていらっしゃいます。
青井ノボルさんの記事を読めば、参加できなかった方もどんなやりとりがあったのかが分かるのでは?と思います。
いつもながらの詳細レポート、頭が下がるばかりです。
相互リンクをいただいている水瀬さんに誘っていただき。今年もバンガード主催のブロガー交流会が参加してきました。バンガードの…
Nightwalkerさんの記事もあります。
独自の視点も入っていて、とても参考になります。
水瀬ケンイチさんにご紹介いただき、バンガード主催のブロガー交流会が開催され不肖私...…
なまずんさんの記事も。
こちらは、図表も入っていてとても初心者にも配慮された分かりやすいブログになっています。
2019年11月1日,世界最大級の運用会社であるバンガードの日本法人バンガード・インベストメンツ・ジャパンが主催する「第…
FPとさかさんの記事も。
熱い共感ポイントは必見です!
カシカさんの記事は、バンガードの内部のノベルティの写真もあがっていて、女性らしさあふれる仕上がりです。
ずずずさんの記事は、いつもシンプルさと優しさに溢れている気がします。
セロンさんの記事にて、あの質問はセロンさんからだったのか〜と感心してしまいました。
11/1(金)にバンガード・インベストメンツ・ジャパンのイベント「第3回ブロガー交流会」に参加してきました。交流会の内容…
そして、音頭をとっていただいた水瀬ケンイチさんの記事も出ています。
先日、バンガード主催「第3回 ブロガー交流会」が開催され、参加してきました。前回に引き続き、バンガードさんから投信ブロガ…
ということで、毎度ながら私のようなものがイベントレポートを書くことに意義があるのか?と迷いがないわけでもないのですが、せっかくなので私なりに考えたことをいつものようにツラツラと書き留めておきます。
おひまつぶしにでも、お読みいただければ幸いです。
バンガード社からの説明
バンガード社や創業者ジョン・ボーグル氏についてetc.
最初は、バンガード社の説明や創業者ジョン・ボーグル氏についての説明からスタート。
興味深かった点としては、やはり600兆円というバンガードの保有資産。
世界に19拠点をもつだけあって、やはり規模が桁違いですね。
とにかく、外部の株主を持たないので、ファンドの投資家が間接的にバンガードを保有する形のため、得られた利益は直接的に投資家に還元している(余剰分は基本的には経費率の引き下げ)そうです。
フランスのナイルの海戦で完璧な勝利をあげたイギリス艦隊ネルソンの戦艦「バンガード」が社名の由来で、「Stay the Course」=航路を守れという創業者ジョン=ボーグルの言葉を具現化している企業さんです。
さらに、創業者ジョン=ボーゲルさんについても色々教えてもらいました。
かのウォーレン・バフェットが評価した人としても知られ、1929年に生を受けてから、世界恐慌を経験する中で苦学の末運用会社ウェリントンに入社。
ウィリントンの社長になるも、10年後に解任されて1975年にバンガード創業。
翌年、最初にインデックスファンド(現在のVOOの原型)を作り、1999年に70歳で引退するも、その後も会社に大きな影響を与えた人物だそうです。
名言もたくさん残していて、以下がその一例。
ボーグル言行録は、人生の参考になるような言葉も多そうで、書籍も読んでみたいな〜と思うばかりです。
「干し草の山の中から一本の針を見つけ出そうとするな。山全体を購入しろ。」
「株式市場を上回ろうとするのが敗者のゲーム。」
「投信業界は魔術の上に築かれている。」
「時間は友、衝動は敵だ。」
規律を守ることはすごく難しいが、資産運用面では「バイ&フォーゲット」、永遠に持てば良いとまでおっしゃったそうです。
また、インデックスファンドの選び方についてもレクチャーしていただけました。
どうしても、インデックスファンドの選び方がよくわからなくて、「どうやって選んだら良いですか?」って聞いたら、「そんなの好きなの買えばいいんだよ〜。」と俺たちは雰囲気で投資をしている回答をしてくれる方が多かったので、具体的で初心者には大変参考になりました。
(雰囲気投資を否定する気はないのですが、仕事柄もろもろ、雰囲気でっていうわけにはいかないんですよねぇ。)
インデックスファンドといっても色々で、見るべきポイントがいくつかあるとのこと。
- バンガードのような会社型のミューチュアルファンドが良いのか、より利益追求型のものが良いのか。
- 信託報酬の額の違い(やはり手数料面は安い方が良い。)
- ベンチマーク(指標)のパフォーマンスが良いものが良いか否か。
- トラッキングエラー(ファンドの成績とベンチマークの差)の大小。(→差がある場合は、パフォーマンスが良いケースと悪いケースあり。)
- セキュリティレンディング(インデックスファンドはたいていブローカーに対して株式を貸している。これらの利益はレンディング収益をどうするかは各ファンドによって違う。貸すのをどれだけにするかも重要なところ(33.3%が米国の最大値))
- 600兆円の経済規模(バンガード)が良いのか、もっと小さいところが良いのか。
結論、バンガードが良いのではないですか?という話ではあったのですが(笑)
重要だなと、とても強く感じたのは、投資家のライフステージに合わせてポートフォリオを変えるべきという点ですね。
最終的には自分であらゆることを決めていかなければならない資産運用において、ポートフォリオを変えていくってすごく怖いことでもあるのですけれど。
言い換えれば、資産運用は生活の一部であるけれど、人生の優先順位は家族を含めた自分の生活だということかと思いまして。
改めて、金銭額とかだけに踊らされないように気をつけようと思った次第です。
質疑応答も活発に展開しました
金融教育についてや逆質問も興味深かったです
バンガード社の説明の後は、基本的に質疑応答となり、かなり色々なお話を聞くことができました。
緊張しいで、挙手して発言なんていうのは得意ではない私も、事前質問ができたのでその点とても良かったです。
当日、すべての質問に答えていただけたわけではありませんが、バンガードさんに対する疑問の一部は解消されました。
直販の予定はなく、ローカルのパートナー(日本でいうと楽天証券やSBI証券といった証券会社)の力を借りるのを優先しているといった現在の戦略のことから、日本籍のETFは、ゼロから作るのに等しく、インフラもないしバックヤードの費用もかかるので難しいなどかなりリアルな状況を教えてもらいました。
個人資産が700兆円くらい流れたら、日本籍ファンドを作るかも?とのことです(笑)
和製バンガードみたいな存在が必要なのかな〜・・・とツラツラ思うところもあり。
あとは、タッグを組む証券会社さんにも厳しい条件の下選定していることや、日本のバンガードの収益源などについても教えていただきました。
厳しい条件というのは、第一に会社のポリシーがバンガードあっているかとのことです。
質問の背景には、やはり楽天証券さんやSBI証券さんとの協業、SBI・バンガード・S&P500などがあったと思います。
とにかく真に受益者のためになるよう考えているか、を重視しているとのことでした。
そして、話題の中心は、「家庭での金融教育をどう浸透させるべきか?」という点について。
当日は金融教育 ・経済アナリストである森永康平さんがいらっしゃっており、自動車の運転スピードについて子どもに考えさせるといった、身近な事例からの教育をお話していただきました。
例えば、スピードを出す→交通事故になるリスクが高まる。安全なスピードで運転する→交通事故になるリスクは下がるが、目的地に着く時間の早さというリターンは得られない。といった形で、リスクとリターンの関係を説明するといったことですね。
この教育についての部分は、最後に行われたバンガードさんからの逆質問で「バンガードに望むことは?」という問いとも大いに関係し、盛り上がりを見せたところでした。
ちなみに、アメリカ版ではありますが、バンガードさんのニュースレター7月号で、年齢別の教育方針や内容が目安として掲載されているのでご参考までにとのことでした。
…
家族の絆を深めていくために年齢別の例などが取り上げられており、比較的早くから取り組まれることなど、日本との違いが記載されています。
興味深かった話題としては、freeze deerさんからのご質問。
予備校などで政経を教えるけれど、生徒たちは円高・円安もよくわからない状態。そんな状態の上で、資産運用をするといったことは、資本主義に基づく経済成長を信じるということになり、家庭内での信仰とかモラルになるのでは?といったもの。
アメリカでも資産運用などは、価値観に基づくものだから、家庭の価値観の影響を受けやすいとのことでした。原資的な生活を好む人たちもいるのも事実。
とはいえ、アメリカでもそんなに金融リテラシーが高いということはなく、アメリカはアドバイザーにまかせようってところも大きいとのことでした。
このあたりは、いわゆるアメリカ社会の特徴で、多くの国民がプロテスタントであってキリスト教的価値観を共有していることが前提にあるといえるかと思います。
職業召命観というものも働いているのかなぁ?と。
アメリカ人は資本主義に基づく経済成長を信じているというより、その生き方(簡単にいえば一生懸命仕事をする)資本主義が結果として存在するのではないかな?って思います。
基本的にはキリスト教においても偶像崇拝は禁止であり、神以外のものは神にあらず、拝金主義なんてもってのほか、ですからね。
宗教的な素養を含めた文化資本がきちんと存在している中、資本主義が成り立っているわけですが、日本にはそういった土台が残念ながらあまりありません。
多くの日本人からすれば、土台がないところに上物の資本主義による経済成長を理解しなければならないわけですから、根拠もないのに信じる、経済成長にベットする=「投資はギャンブルだ」と感じるのも少しく無理もないのかな〜とぼ〜っと考えてました(笑)
一足飛びに資産運用を根付かせようと思っても、このあたりは正直難しいとしかいいようがないですね。
さらに、教えてくれる人がいないから、こっそり自分で調べるしかなく、経済学部などを出ていない人間はネット検索とかするんですけど、バンガードさんのホームページに奇跡的にたどり着けても訳が分からない・・・
ということで、個人的にはホームページの改善なんかにも着手していただけたら・・・なんてことも考えていました。
さて最後は、バンガードさんからの逆質問。
「どのような基準で金融商品を選ぶか?」に続いて、「バンガードに今後望むことは?」といった点については、どのようにバンガードの認知度と投資初心者にへの訴求を行うか?ということでさまざまなアドバイスが飛び出していました。
- ミューチュアルファンドをもっと紹介・販売してもらうのが良いのでは?
- 日本向けのニュースレターをどんどん出していくと良いのでは?
- バンガードの愚直さをもっと正面に出したら?
- 象徴(アイコン)となる有名人をしっかり定着させたら?
- バンガードジャパンとして本でも書いたら?(ボーグルの本を翻訳して出版する?)
活発な議論もかわされましたが、全体的に和気藹々とした雰囲気で終了しました。
今後さらに日本の受益者のためにも頑張っていただけると嬉しく思うばかりです。
この後の二次会でも、多くの投資家のみなさんと話し合ったり、バンガードの方にも質問をさせていただきました。
各人を回ってお話をしてくださったバンガードの方々には本当に頭が下がります。
「直接ETFを買い付けた方がいいのか?投信を購入した方がいいのか?」という素人質問に答えていただけて感無量でした。(ただ、マニュアル車かオートマ車かの違いって言われて、あいにく車に乗らないのでイマイチぴんとこず、ETFはETFだし、投信は投信だよね???とか心の中で思ってしまってごめんなさい、とここで懺悔しておきます。)
とにかく貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。